FRB議長:「実効ある追加緩和」へ、下振れリスク「一層明確」(3)

バーナンキ米連邦準備制度理事会 (FRB)議長は10日、景気拡大への「下振れリスク」に対処するため に「一段の金融緩和が必要になる可能性は十分ある」との見解を示した。 同議長が経済ならびに金融政策について見解を表明したのは12月の連邦 公開市場委員会(FOMC)以来初めて。

バーナンキ議長はワシントンでの講演で、「景気拡大見通しとその リスクの最近の変化を考慮すると、一段の金融緩和が必要となる可能性 は十分にある」と言明。さらに、「景気てこ入れと下振れリスクに対す る十分な保険を提供するため、必要に応じて実効ある追加行動を取る用 意がある」と語った。

アナリストらは12月の米失業率上昇を受けて、リセッション(景気 後退)入りの確率が高まったと判断。今月のFOMCでの0.5ポイント の利下げ実施観測が強まっている。

同議長は「統計を見ると、2008年の実体経済の基本的見通しは悪化 しており、景気拡大への下振れリスクが一段と明確になってきたことが 示唆されている」と指摘。さらに、「原油相場の上昇や株価下落、住宅 価値の低下といった多くの要因が今年、消費支出を圧迫する公算が大き いとみられる」と続けた。

議長は講演後の質疑応答で、FRBはリセッションを予想していな いと言及。さらに「景気の鈍化を予想しているのだが、下振れリスクが 存在する」と語った上で、「こうしたリスクに対し実効ある行動を取る ことが重要だ」と付け加えた。

FOMC見通し

バーナンキ議長は、「FOMCは異例の警戒と機動的な態勢を維持 し、特に経済もしくは金融の安定が脅かされるような事態には断固とし た決意で時宜を得た行動をとれるよう準備しておく必要がある」と表明 した。

シカゴ商品取引所(CBOT)のフェデラルファンド(FF)金利 先物市場の動向によると、FOMCが30日の定例会合でFF金利誘導目 標を0.5ポイント引き下げる確率は90%とみられている。前日時点では 同確率は76%、1週間前には34%だった。0.25ポイント以上の利下げ 確率は100%とみられている。

FOMCメンバーは昨年12月時点では、景気拡大への下振れリス クを明言せず、景気見通しとインフレについて「不透明感」が強まって いると指摘するにとどめていた。

住宅市場の低迷

同議長は「住宅ローン市場で続いている問題を一因に、住宅需要が 一段と鈍化しているようだ」と指摘した。

米労働省が今月4日に発表した12月の雇用統計によると、非農業部 門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比1万8000人増加。家 計調査による12月の失業率は5.0%だった。

バーナンキ議長は12月の雇用統計について「期待はずれの内容だ」 との見方を示したものの、「1つの統計で深読みするのは誤りだ」と警 告した。

その上で、「しかし、労働市場が悪化する場合には消費者支出に対 するリスクが高まる」と指摘した。

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