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訂正:松下:「パナソニック」に社名変更、10月から-世界企業へ決意

家電世界最大手の松下電器産業は10日、 社名を「パナソニック」に10月1日付で変更すると発表した。ブランドも 「パ ナソニック」に統一する。創業90周年を機に「真のグローバル企業を目 指す決 意」を内外に示す。故松下幸之助氏が1917年に大阪市に電球のソケッ ト製造会 社を創業してから続いてきた日本的経営の象徴だった歴史的な名前が 消えるこ とになる。

発表文によると、国内白物家電などに使っていた「ナショナル」ブランドも 順次切り替え2009年度中をめどに廃止する。松下電工など「松下」や「ナショ ナル」の名前が付くグループ企業も、すべて「パナソニック」に変更する。幸之 助氏が確立した「企業は社会の公器」などとの経営理念は今後も実践していく。

同社は今期(2008年3月期)から3年間の現中期経営計画で、10年3月期 の売上高を前期比9.8%増の10兆円とする目標を立て、増加分のうち7割程度 は海外で上げる方針だ。収益や規模ではライバル視されるソニーをリードしてい るが、海外でのブランド力は逆で、海外売り上げ構成比もソニーが高い。

岡三証券の久保田一正アナリストは、発表前に「松下はすでに2、3年前か らブランド構築を進めてきていた」と指摘。そのうえで「パナソニックの名前は 海外ではブランドとして確立されている」とし、統一は「評価できる」とコメン トした。

創業家は「快諾」

大坪文雄社長は大阪府内での記者会見で、社名変更は昨年12月に創業家か ら「快諾」を得たと説明。社名変更に伴う影響額は、看板の更新などにより、 「ここ1、2年で300億円」の費用がかかる一方、「松下」名の宣伝などが不要 になり重複が省けるため「年間200億円」が節減できると説明した。

松下電産のホームページによると「ナショナル」ブランドは幸之助氏が 1927年、「国民の必需品にしたい」との発想で自転車用ランプに使ったのが始 まり。一方、「パナソニック」は55年に輸出用スピーカーに最初に使用。「P an(あまねく)」と「Sonic(音)」を組み合わせ「松下電器の音をあま ねく世界中へ」という思いが込められている。

79年に幸之助氏が私財を投じ設立した人材育成機関である財団法人、松下 政経塾の古山和宏常務理事は、私見と断ったうえで、幸之助氏が存命だったとし ても会社名に「自分の名前が残ることにそれほど固執しただろうか」との見方を 示した。

ビクターも解決

幸之助氏は、企業にとって赤字は悪であり人員削減も許されないなどとする 理念を掲げていた。同氏が89年に死去した後、96年3月期に連結純損益が上場 来初の赤字に転落。これは米映画大手MCA(当時)売却に絡む為替損失計上と いう特殊要因だったが、02年3月期には世界的なIT(情報技術)バブル崩壊 で打撃を受け、4310億円(修正後4278億円)の純損失を出した。

2000年に社長に就任した中村邦夫氏(現会長)は、「破壊と創造」をスロ ーガンに人員削減にも踏み切り、幸之助氏の資産管理会社売却、松下電工の子会 社化なども進めた。06年夏に就任した大坪社長は、昨年1月に「構造改革の時 代から世界的優良企業への挑戦権を得て成長段階に入った」と表明。最後の難題 だったビクター売却も、同7月にケンウッドとの経営統合を通じて傘下から外す 合意をまとめ一定の解決をみていた。

来期の売上高は5%増以上

松下が同時に発表した09年3月期の経営方針では、売上高の伸び率5%以 上、ROE(株主資本利益率)8%以上、CO2の排出量の10万トン以上削減 を見込んでいる。中期経営計画では10年3月期に売上高10兆円のほか、ROE 10%、CO2排出量削減30万トン以上(07年3月期比)を目標に掲げている。

モーニングスター調査分析部の鈴木英之シニアアナリストは、「売上高は 5%増、10兆円ともに実現可能な数字」と指摘したうえで、「10兆円の方は、 若干努力目標も入っている感じがするが、海外で増収を目指す方針は変わらない ので、従来路線の延長と言える」と述べた。

設備投資では、約940億円をかけて富山県砺波市の砺波工場に新棟を建設、 半導体のイメージセンサーの生産能力を増強する。08年9月に着工、09年8月 の生産開始を予定している。200ミリウエハー換算で月産3万枚の生産に向けて 順次規模を拡大する。デジタルカメラや車載用などのイメージセンサー事業を強 化する。

松下電産の株価終値は前日比10円(0.5%)安の2160円。

--共同取材 鈴木宏 林純子 Editor:Kenzo Taniai, Yoshito Okubo

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