東京外為:ドルが上昇幅縮小、米FRB議長講演を警戒-109円台後半

東京外国為替市場ではドルが上昇幅を縮小 する展開となった。ドル・円相場は1ドル=109円台後半と、前日のニューヨー ク時間午後遅くに付けた110円04銭からドルが水準を切り下げた。米サブプラ イム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題を背景に米国以外の主要国の景 気減速感が強まっていることから、ドルの買い戻しが先行したものの、米連邦 準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長の講演内容への警戒感から、ドル の上値は限られた。

三井住友銀行市場営業部の高木晴久グループ長は、ユーロ圏景気の先行き 不透明感が強まるなか、欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁が景気のダウ ンサイドリスクを注視する考えを強調した場合は、ユーロの調整につながる可 能性があると予想。一方で、「米国の大幅利下げ観測が生じると一段、二段とド ル売りが進みかねない」ともいい、FRB議長の発言や金融機関の決算などを 見極めながら、米金利の先安観を背景にドルの下値不安が残ると説明している。

米欧の金融政策動向を見極め

ユーロ圏では9日にドイツ経済技術省が発表した昨年11月の鉱工業生産指 数が予想に反してマイナスになるなど、指標の弱含みが目立っている。また、 独Ifo経済研究所とフランス国立統計経済研究所(INSEE)、イタリア政 府系の調査機関ISAEが発表した共同リポートでは、個人消費と設備投資の 伸び悩みを理由に、1-3月(第2四半期)のユーロ圏経済成長が減速すると の見方が示された。

ECBはインフレ警戒姿勢を残しつつも、景気の減速懸念を背景に利上げ に踏み込みにくい状況が続く可能性があるなか、この日、金融政策決定会合を 開く。ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想では、政策金利の据え置 きが見込まれている。

ユーロ・ドル相場は前日の海外市場で、米以外の主要国での指標悪化がド ルの買い戻しにつながり、一時1ユーロ=1.4639ドル(ブルームバーグ・デー タ参照、以下同じ)と、2日以来の水準までユーロが下落する場面も見られた。

ただ、この日の米国時間にはFRBのバーナンキ議長が経済見通しや金融 政策について講演する予定で、景気に軸足を置いた発言をした場合は、大幅利 下げ観測が補強される可能性があり、東京市場の取引では一時1.4697ドルまで ドルが押し戻されている。

新光証券の林秀毅グローバルストラテジストは、バーナンキ議長の講演に ついて、今月中旬から本格化する金融機関の決算に不安が残るなかでは、株の 先安観は根強く、インフレ懸念を強調する発言はしにくいと指摘。「実体経済の 下ぶれ警戒感を全面に押し出す発言内容となれば、大幅利下げを否定しないと 受け止められる可能性がある」とみている。

日本株安で円じり高

一方、前日の米国株式相場は2週間ぶりの大幅上昇。損失リスクを伴う投 資先の代表格とされる株式の持ち直しを背景に、外為市場ではリスク選好的な 低金利の円で資金を調達して高金利通貨などに投資する円キャリートレードが 期待され、前日のニューヨーク市場の取引終盤には一時110円13銭と、2日以 来の水準までドル高・円安が進んだ。

ただ、この日の東京市場では、日本株が軟調に推移したことから、円が徐々 に買い戻される展開となった。結局、日経平均株価は200円を超える大幅安で 取引を終了しており、円は109円55銭まで水準を切り上げた。

午後の取引で1ユーロ=161円57銭まで円が軟化していたユーロ・円相場 も160円89銭まで円が買い戻されている。

--共同取材:柿崎元子 Editor:Masaru Aoki, Hidenori Yamanaka

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