11月の景気一致指数は8カ月ぶりに50%割れ-先行きも不透明感

11月の景気の現状を示す景気一致指数は8 カ月ぶりに判断の分かれ目となる50%を下回り、足元の景気減速を示唆する内 容となった。また、半年程度先の国内の景気動向を占う景気先行指数も4カ月 連続で50%を下回り、先行き不透明感が漂っている。

内閣府が10日発表した景気動向指数(速報)によると、一致指数(DI) は33.3%、先行指数(DI)は10.0%だった。ブルームバーグ・ニュースによ る事前調査の予想中央値と一致した。遅行指数は75.0%だった。先行、一致指 数ともに50%割れしたのは、昨年3月以来初めて。

景気動向指数には先行、一致、遅行の3指数があり、各指数を構成する指 標が3カ月前と比較して改善した割合を、DI(ディフュージョン・インデッ クス)を使い、景気の方向性を示す。生産や消費、物価、雇用、金融など景気 に敏感に反応する指標を合成し、50%が景気の転換点の目安となる。

みずほ証券エクイティ調査部の飯塚尚己シニアエコノミストは発表前に、 一致指数の50%割れで「景気後退のリスクが改めて意識されるだろう」と述べ、 米国の景気減速懸念に伴い年初から大幅な下落を記録している株式市場にとっ ても「ネガティブにとらえられるだろう」との見方を示していた。

11月は、一致指数の構成指標のうち鉱工業生産指数が前月比1.6%低下し たことや、有効求人倍率が2年ぶりに1倍を下回ったことなどが50%割れの主 な要因となった。ただ、12月の製造業生産予測指数は前月比4.0%上昇が見込 まれており、生産が予測通り大幅上昇となれば、再び50%を上回る可能性はあ る。

CI

景気動向指数では判断できない景気の力強さやスピードといった量感を示 すコンポジット・インデックス(CI)でみると、11月の一致指数は、113.1 と前月の114.4から1.3ポイント低下した。

内閣府は今年4月分(6月公表予定)から、景気動向指数の主な判断材料を DIからCIに切り替える。内閣府ではCIを参考指標として公表しているが、 先進各国ではCIを使うのが主流となっている。

2002年2月に始まった景気拡大局面は昨年12月で71カ月目となり、「いざ なぎ景気」(57カ月)を超える戦後最長記録を更新している。しかし、米国のサ ブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題に起因した金融市場の混 乱が米国の実体経済へ波及しつつあるとの見方に加え、原油高に伴う企業収益 圧迫や家計負担の増加、改正建築基準法施行に伴う住宅・建設投資の落ち込み など景気を巡る環境は厳しさが増している。

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