東京外為:ドル底堅い、米以外でも景気の減速傾向目立つ-110円挟み

午前の東京外国為替市場ではドル・円相場 が1ドル=110円ちょうどを挟んだ水準と、2日以来、約1週間ぶりのドル高値 圏で推移している。米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題 の余波がくすぶるなか、米国以外の主要国でも景気の減速傾向が目立ち始めて いることから、ややドルの買い戻し圧力がかかりやすくなっている。

住友信託銀行マーケット資金事業部門の松本三郎チーム長は、米経済指標 の弱含みを背景に年初からドル売りが先行していたが、ドイツの指標が市場の 予想を下回る内容になるなど、米以外の主要国での指標悪化がドルの買い戻し につながっていると説明。その上で、この日は欧州中央銀行(ECB)の決定 会合を控えて、「トリシェ総裁の現状判断が注目されるが、米以外の景気悪化が 意識され、ユーロの調整が続く可能性もある」とみている。

米以外の景気減速傾向目立つ

ユーロ圏では9日にドイツ経済技術省が発表した昨年11月の鉱工業生産指 数が、予想に反してマイナスになるなど、指標の弱含みが目立っている。

また、独Ifo経済研究所とフランス国立統計経済研究所(INSEE)、 イタリア政府系の調査機関ISAEが発表した共同リポートでは、個人消費と 設備投資の伸び悩みを理由に、1-3月(第2四半期)のユーロ圏経済成長が 減速するとの見方が示された。

この日はECBとイングランド銀行(BOE)がそれぞれ金融政策決定会 合を開くが、ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想では、ともに政策 金利の据え置きが見込まれている。

ECBはインフレ警戒姿勢を残しつつも、景気の減速懸念を背景に利上げ に踏み込みにくい状況が続く可能性があるなか、会合後のトリシェ総裁の記者 会見が注目される。

ユーロ・ドル相場は前日の海外市場で一時1ユーロ=1.4639ドル(ブルー ムバーグ・データ参照、以下同じ)と、2日以来の水準までユーロが下落。こ の日の東京市場では1.46ドル台後半で推移している。一方で、BOEの金融政 策については、利下げ観測がくすぶっており、英ポンドの下落基調が続いてい る。

また、この日の米国時間には連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ 議長が経済見通しや金融政策について講演する。「月末のFOMC(連邦公開市 場委員会)を控えて、景気サポーティブ(支援的)な発言があるかどうかが注 目される」(住友信託銀・松本氏)。

米株反発も日本株弱含み、円方向感乏しい

前日の米国株式相場は2週間ぶりの大幅上昇となった。損失リスクを伴う 投資先の代表格とされる株式の持ち直しを背景に、外為市場ではリスク選好的 な低金利の円で資金を調達して高金利通貨などに投資する円キャリートレード が期待され、前日のニューヨーク市場の取引終盤には円売りが進行。一時は110 円13銭と、2日以来の円安値を付けている。

ただ、この日の日本株が軟調な推移となっていることから、海外市場から のドル買い・円売りの流れがやや鈍っている面もある。

一方、ユーロ・円相場は前日のロンドン時間に一時1ユーロ=161円65銭 と、3日以来の水準までユーロ高・円安が進んだあと、160円台前半まで円が値 を戻していたが、この日の東京市場では161円台半ば近辺まで円が再び軟化し ている。

--共同取材:吉川淳子 Editor:Masaru Aoki, Norihiko Kosaka

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