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東京外為:円じり高、日本株下落でリスク敬遠―FRB議長講演を警戒

午前の東京外国為替市場では円がじり高に 推移した。ドル・円相場は1ドル=109円台後半と、前日のニューヨーク時間午 後遅くに付けた110円04銭から円が水準を切り上げた。米サブプライム(信用 力の低い個人向け)住宅ローン問題を背景に米国以外の主要国の景気減速が目 立ち始めていることから、ドルの買い戻しが先行。ただ、この日は日本株の下 落を受けてリスク回避に伴う円買い戻しに圧力がかかったうえ、米連邦準備制 度理事会(FRB)のバーナンキ議長の講演内容も警戒された。

新光証券の林秀毅グローバルストラテジストは、バーナンキ議長の講演に ついて、今月中旬から本格化する金融機関の決算に不安が残るなかでは、株の 先安観は根強く、インフレ懸念を強調する発言はしにくいと指摘。「実体経済の 下ぶれ警戒感を全面に押し出す発言内容となれば、大幅利下げを否定しないと 受け止められる可能性がある」としたうえで、日本株安に伴うリスク収縮の動 きも相まって、徐々にドル売り・円買い圧力が強まったと説明する。

日本株安で円じり高

前日の米国株式相場は2週間ぶりの大幅上昇。損失リスクを伴う投資先の 代表格とされる株式の持ち直しを背景に、外為市場ではリスク選好的な低金利 の円で資金を調達して高金利通貨などに投資する円キャリートレードが期待さ れ、前日のニューヨーク市場の取引終盤には一時110円13銭(ブルームバーグ・ データ参照、以下同じ)と、2日以来の水準までドル高・円安が進んだ。

ただ、この日の東京市場では、日本株が軟調な推移となっていることから、 海外市場からのドル買い・円売りの流れは鈍化。円が徐々に買い戻される展開 となり、正午すぎには109円62銭まで円が水準を切り上げた。

1ユーロ=161円57銭まで円が軟化していたユーロ・円相場も160円95銭 まで円が買い戻されている。

米欧の金融政策動向を見極め

一方、ユーロ圏では9日にドイツ経済技術省が発表した昨年11月の鉱工業 生産指数が予想に反してマイナスになるなど、指標の弱含みが目立っている。 また、独Ifo経済研究所とフランス国立統計経済研究所(INSEE)、イタ リア政府系の調査機関ISAEが発表した共同リポートでは、個人消費と設備 投資の伸び悩みを理由に、1-3月(第2四半期)のユーロ圏経済成長が減速 するとの見方が示された。

こうしたなか、この日は欧州中央銀行(ECB)の金融政策決定会合が開 かれるが、ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想では、政策金利の据 え置きが見込まれている。ECBはインフレ警戒姿勢を残しつつも、景気の減 速懸念を背景に利上げに踏み込みにくい状況が続く可能性がある。

米経済指標の弱含みを背景に年初からドル売りが先行していたが、米以外 の主要国での指標悪化がドルの買い戻しにつながり、ユーロ・ドル相場は前日 の海外市場で一時1ユーロ=1.4639ドルと、2日以来の水準までユーロが下落 する場面も見られた。

ただ、この日の米国時間にはFRBのバーナンキ議長が経済見通しや金融 政策について講演する予定で、「月末のFOMC(連邦公開市場委員会)を控え て、景気サポーティブ(支援的)な発言があるかどうかが注目される」(住友信 託銀行マーケット資金事業部門・松本三郎チーム長)。

バーナンキ議長が景気に軸足を置いた発言をした場合は、大幅利下げ観測 が補強される可能性があり、この日の東京市場では1.4686ドルまでドルが押し 戻されている。

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