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米経済は個人消費を支えにリセッション回避-エコノミストの見方

米経済は個人消費の伸びが減速するものの、 失速することはないため、リセション(景気後退)入りを回避するとの見方が エコノミストの間で強いことが9日までに分かった。

ブルームバーグ・ニュースが3-8日、エコノミスト62人を対象に実施し たアンケート調査(予想中央値)によると、今年1-6月(上期)の平均成長 率は1.5%と、昨年10-12月期と同様の水準を維持する見込み。予想通りなら、 2001年4-12月期以来の低成長となる。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)の主任エコノミスト、ミッキー・レビ ー氏は「リセッションのような感じのする軟調な経済活動だが、そうはならな いだろう」と指摘。「消費者の心理は明らかに悪化しているが、消費支出は減 少していない。これが非常に重要だ」と語った。

エコノミストの間では、連邦準備制度理事会(FRB)が当初見込みより 大幅な利下げを実施することで景気は7-9月期までに再び加速し、失速を回 避することになると予想されている。今後1年間以内にリセッション入りする 確率は40%とみられている。今年の成長率見通しは2.1%と、先月調査時の2.3 %から低下し、02年以来の低水準となった。

「比較的堅調」

ワコビアのグローバル・エコノミスト、ジェイ・ブライソン氏は「われわ れはリセッションの瀬戸際にあるが、リセッション入りは辛うじて避けられる だろう」と指摘。「最終的な鍵を握るのは消費者だ。個人消費は比較的堅調な 状態を保っている」と語った。

ブライソン氏は、昨年12月の労働市場の需給が悪化したものの、所得増加 が個人消費を「下支え」するとの見通しを示した。

エコノミストの個人消費見通しは、今年1-6月期分が下方修正される一 方、昨年10-12月期分と今年10-12月期分は引き上げられた。

金融政策については、今年1-3月、4-6月の両四半期に利下げが実施 されると予想。フェデラルファンド(FF)の誘導目標(現行4.25%)は年央 までに3.5%に引き下げられるとの見通しが強かった。12月調査時には追加利 下げは1回にとどまり、同目標が08年中4%に維持されるとの予想が優勢だっ た。

利下げ

BOAのレビー氏は、利下げが「最終的に需要を刺激する」と指摘した。 調査では、7-12月(下期)の成長率は平均2.5%に上昇するとの見通しが強 かった。

エコノミストの間では、輸出と企業投資の増加がプラス要因になり、景気 を下支えするものの、成長懸念は根強いため、食品やエネルギー価格上昇に伴 うインフレ加速に対する政策当局者の懸念は抑えられるとの見方も多かった。

一方で3年目に入った住宅不況で、住宅価格の一段の低下につながる差し 押さえが増加し、米国民は豊かさをこれまでより感じられなくなるとみられる。

これまで明るい景気材料を提供してきた雇用情勢も、消費者にとって新た な逆風になるかもしれない。12月の非農業部門雇用者数は前月比1万8000人増 にとどまり、昨年1年間の増加数は2003年以来4年ぶりの低水準を記録。建設 業者と住宅ローン会社、製造業者が人員を削減するなか、12月の失業率は5% と、2年ぶりの高水準に達した。

失業率

失業率の上昇を受け、全米経済研究所(NBER)の責任者を務めるハー バード大学のエコノミスト、マーティン・フェルドスタイン氏は5日、インタ ビューに対し、リセッション入りの可能性は高まったと指摘。「わたしはこれ までその確率を50%としてきた」が、雇用統計で「その水準は若干押し上げら れた」と語った。

サントラスト・バンクスの主任エコノミスト、グレゴリー・ミラー氏は「消 費者はなんとか持ちこたえている」とした上で、「絶対的な必需品への出費は 続いているが、自由裁量のきく買い物は切り詰めている」との見方を示した。

UBSセキュリティーズの上級エコノミスト、ジェームズ・オサリバン氏 は「米経済はかなり弱いのか、またリセッション入りしつつあるのかをめぐっ て論戦が繰り広げられている」と指摘。「これまでのところ、わたしは『かな り弱い』との見方だ」と語った。

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