日本株は反落、米景気後退懸念で輸出関連株安い-証券株も下落(2)

午前の東京株式相場は反落し、日経平均株 価は取引時間中の昨年来安値を更新した。米国の景気後退懸念から業績の先行 き不透明感が高まり、トヨタ自動車やホンダ、ファナック、コマツなど輸出関 連株中心に売りが増加した。JPモルガン証券が目標株価を引き下げた野村ホ ールディングスなど証券株は、相場環境の悪化などを背景に値を下げた。

大和住銀投信投資顧問株式運用部の窪田真之シニアファンドマネージャー は、「製造業や自動車の競争力が強い日本経済は、世界経済に強く連動してい る」とことから、世界経済が悪化する場面では「海外投資家は最初に日本株を 売る」(同氏)と述べた。

日経平均株価の午前終値は前日比108円81銭(0.8%)安の1万4419円86 銭、TOPIXは0.91ポイント(0.06%)安の1402.15。東証1部の売買高は概 算で9億8949万株、売買代金は同1兆2494億円。値上がり銘柄数は450、値 下がり銘柄数は1154。

東証業種別33指数の騰落状況は、値上がり13、値下がり20。輸送用機器、 電気機器、機械、証券・商品先物取引、その他製品、化学などが安い。半面、 銀行、鉄鋼、不動産、海運のほか、医薬品、電気・ガスなど景気動向に左右さ れにくいディフェンシブ関連は高い。

米景気後退への警戒で輸出安い

米国景気後退への警戒から、日経平均株価は取引開始直後に前日比257円 安の1万4271円と1年7カ月ぶりの安値水準まで下げた。8日の米国株市場 では、全米不動産業者協会が同日発表した07年11月の中古住宅販売成約指数 が87.6と前月から2.6%低下したことや、AT&Tの最高経営責任者が消費者 事業部門は「軟調」に直面していると述べたことが不安視され、S&P500種 株価指数が前日比1.8%安の1390.19と、昨年3月16日以来の安値で引けた。

米国景気への不安から、輸出関連ではホンダが昨年来安値となるなど自動 車株の下げが目立ったほか、クボタや森精機製作所など機械株でも昨年来安値 を更新する銘柄が増えた。大和証券SMBCエクイティ・マーケティング部の 高橋和宏部長は「米国が景気後退となれば、来期業績は従来予想に比べて下方 修正になる可能性がある」との見方を示した。米政策面への期待感はあるとし ながらも、「すぐには出にくいのではないか」(同氏)と主張する。

押し目買いも

もっとも、株価水準の低さなどから下値を大きく売り込む動きは限定的だ った。大和SMBCの高橋氏によると、8日の同社の店内の国内機関投資家の 注文は買い越しに転じたとし、「業績下方修正懸念の少ない今期ベースでの株 価の割安感から、午後にかけて押し目買いが増加することも考えられる」とい う。

また大和住銀の窪田氏は「イールドスプレッド(長期金利-株式益回り) などから判断して株価はそろそろボトム圏となりそう」と指摘。今年の日本株 市場には割安株投資を主体とする海外投資家の買いが入ってきそうと予想する。

日経平均は昨年7月から8月にかけての急落場面で約3000円下落した。 今回は10月高値からの下げ幅が既に3000円超に達している。前回反発に転じ た幅と一致しており、「下値が固まってくるのではないか」と、日興コーディ アル証券エクイティ部の西広市部長はみている。

市況関連株は堅調

一方、国際商品相場の上昇を背景として、市況関連株は堅調だった。三井 物産が続伸するなど大手商社株が高くなったほか、新日鉱ホールディングスな ど石油株、住友金属鉱山など非鉄金属株の一角も上げた。

米エネルギー省が9日発表する週間在庫統計で原油在庫が8週連続の減少 を示すとの思惑から、8日のニューヨーク原油先物相場は前日比1.3%高の1 バレル=96.33ドルと反発。このほか金が最高値を更新、銅も上昇するなど、 UBSブルームバーグ・コンスタント・マチュリティ商品指数は過去最高値を 付けた。

イズミヤが値下がり首位、ローソン大幅高

個別では、08年2月期業績予想を下方修正したイズミヤが東証1部値下が り率首位。国土交通省の調査で、防火・耐火材などで認定製品とは異なるもの を販売していたイトーキ、地方店舗の売り上げ低迷で第1四半期(07年9-11 月)の連結営業利益が前年同期比6.2%減少したサイゼリヤもそれぞれ急落し て下落率上位となった。

半面、経費抑制から第3四半期累計(07年3-11月)の連結営業利益が前 年同期比6.9%増となったローソン、海外事業の好調で第3四半期累計(07年 3-11月)の連結営業利益が同8.8%増となった良品計画がともに大幅高。既 存店好調で第3四半期累計(07年3-11月)の純利益が同9.6%増と伸びたフ ァミリーマートは3日ぶり反発。

このほか、抗インフルエンザウイルス薬「T-705」の日本での臨床試験第 2相(フェーズ2)を開始した富山化学工業が値上がり率3位となり、モルガ ン・スタンレー証券が格上げした大林組や清水建設も大幅高。

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