東京外為:円がもみ合い、円高のスピード調整続く―109円挟み

午前の東京外国為替市場ではドル・円相場 が1ドル=109円ちょうどを挟んでもみ合った。住宅市場の悪化を背景に米景気 の減速懸念が強まる中、前日の米国株安を受け、朝方は円買い・ドル売りが先 行。しかし、積極的に円を買う材料に乏しく、反落して始まった日本株が下げ 渋るにつれ、円は伸び悩んだ。

ドル・円は朝方に一時、2営業日ぶり円高値となる108円80銭(ブルーム バーグ・データ参照、以下同じ)を付けた後、109円16銭まで円が反落。ユー ロ・円も1ユーロ=160円03銭から160円62銭まで円が売られたが、その後は 160円台半ば付近でのもみ合いに転じている。

三菱東京UFJ銀行市場業務部の金成大介上席調査役は、ドル・円は年初 に112円台に乗せる場面も見られたが、そこから円高が急ピッチに進んだこと で、「そういう意味ではスピード調整が必要」と指摘。「107円がいったん底堅 かったということもあるので、目先は109円を挟みながら少し時間稼ぎをする セッションがもう少し続く」とみている。

一方、米金利の先安観が強まる中、「ショートカバー(買い戻し)以外で はドルはなかなか買えない」(金成氏)といい、調整局面が終われば、再び円 高方向に相場が動く可能性も残る。

レンジ相場の様相

ドル・円は、米国の製造業景況感や雇用統計の悪化を受け、年末年始にド ル安・円高が進み、4日には107円91銭と11月下旬以来の円高値を付けた。 ただ、その後は株価動向に一喜一憂しながら、108円ちょうどから109円台後半 の間を上下する展開が続いており、レンジ相場の様相が強まっている。

8日の海外市場では、全米不動産業者協会(NAR)が発表した2007年11 月の中古住宅販売成約指数が予想以上の低下となるなど、米景気の先行き懸念 が強まり、米国株が下落。ドル・円は109円を割り込んだが、9日に満期を迎 える「オプションが109円にあるという声が多く」(三菱東京UFJ銀・金成 氏)、その後は同水準に絡んだ値動きとなっている。

新生銀行キャピタルマーケッツ部の政井貴子部長は、米国では中古住宅関 連指標が予想を下回り、株も下がり、一部不動産関連会社の倒産のうわさが出 てその後否定されるなど、「字面だけ聞いているとものすごくドルが売られて いるイメージがあるが、ふたを開けてみるとドルはレンジで、非常に暗い雰囲 気と実際の値動きの狭さとギャップがある」と指摘する。

ドルの先安観くすぶる

一方で、米連銀関係者からは景気の先行きに慎重な発言が相次いでおり、 大幅利下げ観測が強まる中、「ドルの先安観がくすぶっている」(UBS銀行 東京支店外国為替部FXアドバイザー・牟田誠一朗ディレクター)。

ボストン連銀のローゼングレン総裁は8日、「住宅投資が引き続き減速し ており、これが経済全体に一層深刻な落ち込みをもたらすリスクを高めている」 と言明。フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁は、景気の先行き見通しが悪 化すれば、追加利下げが必要になるかもしれないとの認識を示した。

シカゴ商品取引所(CBOT)のフェデラルファンド(FF)金利先物市 場の動向によると、FOMCが30日の定例会合で現行4.25%のFF金利誘導目 標を0.5ポイント引き下げる確率は70%前後。1週間前は20%強だった。

新生銀の政井氏は、以前は米指標の悪化が大幅利下げ観測につながり、そ れが株高を通じてドルを支える動きもあったが、実体経済に影響が出てきてお り、「株に関しては利下げのとらえられ方が違ってきている」と指摘。その上 で、最終的には月末の一般教書などで、米国が抱える問題をどのように収拾し ていくのかが焦点になるが、「それまで時間があるので、当面はまだ不安定な 時間が続く」とみている。

9日午前の東京株式相場は反落。米国景気後退への警戒から、日経平均株 価日経平均株価は取引開始直後に前日比257円安の1万4271円と1年7カ月ぶ りの安値水準まで下げた。ただ、株価水準の低さなどから下値を大きく売り込 む動きは限定的で、その後は下げ渋る展開となった。

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