東アジアから資金引き揚げのリスク、サブプライムの影響で-世銀報告

世界銀行は9日公表した世界経済見通しに 関する報告書で、東アジア地域には昨年、総額1700億ドル(約18兆5400億 円)を上回る資金が流入したが、大手金融機関各社の損失が今後拡大すれば、 資金引き揚げのリスクに直面するとの見解を示した。

中国とインドネシア、マレーシア、ベトナムなどの株価は、外国人投資家 の需要を受けて、2007年に過去最高値を付けた。米サブプライム(信用力が低 い個人向け)住宅ローン問題を発端とするリスク回避や信用市場の混乱で、世 界の主要銀行・証券会社は既に970億ドルの評価損や貸倒引当金を計上してい る。

世銀は「国際的な大手金融機関の損失が相当の水準に拡大すれば、東アジ ア投資など他の投資も、ポートフォリオの調整やトレーディング益への影響を 緩和するために、回収される恐れがある」と指摘。「東アジアの幾つかの国は 資金流入額が大きな国々を中心に、こうしたリスクにさらされている」とした。

報告書によれば、アジアはこれまで、域内金融機関のサブプライム関連投 資が限定的だったことから、世界的な金融市場混乱の影響を総じて逃れてきた。 その一方で世銀は「米サブプライム危機の金融面、実体経済への悪影響の度合 いは今後1年間に高まる可能性がある」とし、「各国政策担当者は自国の株式 市場も含め、短期的な資金移動の量や方向、変動率を注視する必要があるだろ う」と指摘した。

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