米ベアー・スターンズ:ケインCEOが辞任-後任にシュワルツ社長

米証券大手ベアー・スターンズは8日、ジェ ームズ・ケイン最高経営責任者(CEO、73)のCEO職辞任を発表した。後 任にはアラン・シュワルツ社長(57)が就く。ケイン氏は会長にとどまるとい う。

ウォール街で最も在任期間の長いCEOだったケイン氏は、シティグルー プのチャールズ・プリンス前CEOとメリルリンチのスタンレー・オニール前 CEOと同じ道をたどることになった。両氏はサブプライム関連損失による業 績低迷で辞任に追い込まれた。ベアー・スターンズは2007年9-11月(第4四 半期)が8億5400万ドルの赤字となり、株価は過去1年で57%下落している。

サンフォード・C・バーンスティーンのアナリスト、ブラッド・ヒンツ氏 は「過去18年に2人の会長兼CEOしか出していないベアー・スターンズにと っては大変な変化だ」と論評した。

ベアー・スターンズ株の8日終値は5.08ドル(6.7%)安の71.17ドル。

取締役の1人、ヘンリー・ビーネン氏は7日、シュワルツ氏は次期CEO として「当然の選択だ」として、「経験豊富で取締役会の信頼も厚い」と述べて いた。

シュワルツ氏は1972年にデューク大学を卒業。76年にベアー・スターンズ に加わった。その後、グリーンバーグCEO(当時)の目に留まり、79年にニ ューヨークに異動。85年に執行副社長となり初期の投資銀行部門を育てた。6 年後に共同社長となり、ウォーレン・スペクター氏とともに同職を務めた。

ケイン氏は1969年にベアー・スターンズに加わり、93年にCEOに就任し た。サブプライムローン関連証券に投資していた同社のヘッジファンドの破た んは、全面的なサブプライム危機の引き金を引いた形になった。ベアー・スタ ーンズでは既に、ケイン氏の後継者として有力視されていたスペクター氏が更 迭されており、問題のヘッジファンドを運用していたラルフ・シオフィ氏も先 月退社した。

メリルとは状況異なる

ビーネン氏によると、ケイン氏は辞任を考えていることを昨年12月に取締 役らに告げていた。取締役会は同氏の決断を迫ることはしなかったという。「明 らかに圧力のあったメリルなどとは状況が異なる」と同氏は述べた。

ブルームバーグ・データによると、ケイン氏はベアー・スターンズ株4.9% を保有し、筆頭株主のジョゼフ・ルイス氏に次ぐ第2の大株主。

ボストンのコンサルティング会社セレントのオクタビオ・マレンツィCE Oは「米国のサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローンの影響がベア ー・スターンズよりも小さかった金融機関のCEOも辞任に追い込まれている のに、ケイン氏は生き延びて会長職まで維持することに成功した」として、「ボ ードルームの魔術師だ」とコメントした。

フォーブス誌の2007年長者番付によれば、ケイン氏は資産13億ドル(約 1420億円)を持ち、ウォール街随一の資産家でもある。同氏は07年12月に、 「容認できない」業績を受けて同氏と経営幹部が07年度(11月期末)の賞与を 受け取らないことで合意したと述べていた。

サブプライム危機に絡み、世界の金融機関は少なくとも970億ドルの評価 損と貸し倒れ損失を公表している。ビーネン氏は「金融機関が間違いを犯した ことは明らか」だが、「1人の人間が引き起こしたことでもなければ、1人の人 間が解決できるものでもない」と語っていた。

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