日本株(終了)5日ぶり反発、海運や陸運高い-安全志向で食品も上昇

東京株式相場は5営業日ぶりに反発した。 ドイツ証券が買いの投資判断を示した商船三井などを中心に海運株が高く、年 末年始の輸送実績が2年ぶりに増加したJR3社など陸運株も上昇。JTや味 の素、伊藤ハムなど食料品、マルハニチロホールディングスなど水産といった 業績安定度が高いと見られるディフェンシブ銘柄への買いも目立った。

日経平均株価の終値は前日比28円12銭(0.2%)高の1万4528円67銭、 TOPIXは同10.35ポイント(0.7%)高の1403.06。東証1部の売買高は概 算で21億1415万株、売買代金は同2兆6315億円。値上がり銘柄数は703、値 下がりは897。

最善策はリスクを減らすこと

T&Dアセットマネジメントのファンドマネジャーの天野尚一氏は、米サ ブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題のインパクトが今後、 金融面から実体経済面に移ってくることは避けられないと指摘。その上で、 「原油など商品価格の高騰が続きスタグフレーションに陥る可能性も高まる中、 最善策はリスクを減らすことであり、景気動向に収益が影響を受けにくい銘柄 への資金シフトが有効だろう」(同氏)と述べる。

午後に上昇転換、割安さは意識

この日も日本株は売り先行で始まり、日経平均は午前9時6分にこの日の 安値となる134円安の1万4365円まで下落。その後も買い戻す勢いは弱く、 安値圏で方向感なく推移した。午前の取引終了にかけて水準を切り上げたが、 前日比プラスに浮上するには至らなかった。

午後に入ると早い時間帯に、日本株は上昇に転じる場面が見られた。昼休 み時間帯に外国為替市場でじりじりと円安・ドル高方向に動いたことで、電機 など輸出比率が高い銘柄の一角が買い戻されたほか、ドイツ証券のアナリスト による強気の投資判断を受けた海運株が堅調に推移、陸運や鉄鋼、情報・通信 株に買いが先行した。すぐに売りに押されて再度水面下に沈んだが、取引終了 にかけては上昇力を試し、TOPIXはほぼこの日の高値圏で終えた。

野村証券投資情報部の品田民治課長は、「PER(株価収益率)など投資 指標は歴史的な割安水準を示しており、日本株の先行きに対して過度に悲観的 になる必要はない」と指摘する。ただ、9日から始まる米企業の第4四半期 (10-12月)決算発表や、10日のバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議 長の講演など相場の先行きを占う材料を数多く控え、こうした材料を見極めた いとして、「値ごろ感を背景に買いが入ったとしても、現状では自律反発の域 を脱することは難しい」(同氏)という。

この日の取引開始前の主要投資指標を見ると、東証1部上場銘柄の平均配 当利回りが1.6%まで上昇する一方、新発10年物国債は1.4%台後半で推移。 また、日経平均構成銘柄の予想PERは15倍台まで下がっていた。

川崎汽、三井住友F、みずほFGがともに5%超高

個別では、明治海運が11%高で東証1部の値上がり率ランキング3位に入 り、川崎汽船が5.5%高となるなど海運株が高い。東証海運株指数は、同業種 別33指数の中で上昇率トップ。ドイツ証券が7日付で、海運大手3社である 日本郵船、商船三井、川崎汽船の投資判断を「買い」で新規に調査を開始した ことを材料視。国際運賃指標であるバルチック海運指数が7日、11営業日ぶり に反発したことも好感された。

JR旅客6社による年末年始10日間(昨年12月28日―1月6日)の輸 送実績が2年ぶりに増加したことを受け、JR東日本、JR西日本、JR東海 がそろって反発。ゴールドマン・サックス証券が買い判断を示した東京急行電 鉄は4.6%高と4日ぶり急反発。また、三井住友フィナンシャルグループとみ ずほフィナンシャルグループがともに5%超高と急反発するなど銀行株も買い 戻された。TOPIXの上昇寄与度ランキングで、銀行株指数はトップ。

機械株の下げ目立つ、極東貿易は値下がり率首位

半面、自動車販売鈍化などに伴う設備投資への警戒感から、ファナックが 2006年10月以来となる1万円の大台割れとなるなど設備投資、機械株の下げ が目立った。森精機製作所、ディスコ、ユニオンツールなどが急落。東海東京 調査センターの矢野正義シニアマーケットアナリストは、「高値期日の接近と いう見方もできるが、前日に今年の国内自動車販売見通しが発表され、それを 見た外国人が売りを出した。去年は一昨年より減少したが、今年はその去年よ り悪い見通しで、設備投資の減少懸念につながりかねない」と話している。

また、みずほ投信投資顧問の荒野浩理事によると、「米国をはじめとした 先進国だけでなく、BRICsなど新興国も含めた世界的な景気減速が強く意 識されており、投資家は国内外の景気に敏感な業種・銘柄のポジションを落と している」という。ファンド資金などの持ち高整理の動きも、景気敏感な機械 株に影響を与えたようだ。

悪材料の出た小売株も軟調な展開を強いられた。衣料品の販売が不振とし て今期(2008年2月期)の連結営業利益が一転して減益の見通しとなった松屋 が急反落。売上高の減少や特別損失の計上により通期(08年8月期)の業績予 想を下方修正したライトオンは5日続落。

海上自衛隊の潜水艦用アンテナの納入で、防衛省への見積書の偽造と過大 請求があったと発表した極東貿易は15%安と急落し、年初来安値を更新。東証 1部の値下がり率トップ。

新興3市場はそろって5日ぶり反発

国内の新興3市場はそろって高い。日経平均やTOPIXが午後に上昇転 換した流れに連動する格好で、主力インターネット関連株や直近上場銘柄の一 角などが取引終了にかけて買い戻された。ジャスダック指数の終値は前日比

0.20ポイント(0.3%)高の69.76、東証マザーズ指数は10.82ポイント (1.5%)高の747.84、大証ヘラクレス指数は4.95ポイント(0.4%)高の

1134.24とともに5営業日ぶりに反発。

個別では、ワークスアプリケーションズ、ビックカメラ、サイバーエージ ェント、ミクシィ、地域新聞社が高い。日本郵政グループと組んで高齢者の人 材派遣・紹介業務に乗り出すと、8日付の日本経済新聞朝刊で伝わったシニア コミュニケーションがストップ高買い気配のまま終了。半面、竹内製作所、エ ンジャパン、アプリックスが安い。テレウェイヴは2日連続のストップ安。

--共同取材:常冨 浩太郎  Editor:Shintaro Inkyo

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