ベアーSのケイン氏:CEO辞任の意向、会長職にはとどまる-関係者

米証券大手ベアー・スターンズのジェームズ・ ケイン最高経営責任者(CEO、73)は、CEOを辞任する計画だ。事情に詳 しい関係者が8日までに明らかにした。同社は米国のサブプライム(信用力の 低い個人向け)住宅ローン市場崩壊の影響で創業来初の赤字を出し、株価は低 迷している。

関係者が匿名を条件に述べたところによると、ケイン氏は取締役会メンバ ーにCEOを辞任し、会長にとどまる意向を伝え始めている。後任のCEOに はアラン・シュワルツ社長(57)が就任する見込みで、人事は8日中にも発表 される可能性があるという。

ケインCEOは、サブプライム関連損失による業績低迷で辞任に追い込ま れたシティグループのチャールズ・プリンス前CEOとメリルリンチのスタン レー・オニール前CEOと同じ道をたどることになる。ベアー・スターンズの 2007年9-11月(第4四半期)は8億5400万ドルの赤字だった。株価は過去 1年で53%下落している。

取締役の1人、ヘンリー・ビーネン氏は7日、「ケイン氏とベアー・スター ンズのつながりは長く、前CEOのグリーンバーグ氏と並んで当社の顔だった」 と述べた。また、「ケイン氏はベアー・スターンズ株を大量に保有しており、今 後も同社に関与し続けるだろう」と語った。

ベアー・スターンズの広報担当者ラッセル・シャーマン氏はコメントを控 えた。米紙ウォールストリート・ジャーナル(オンライン版)は7日、ケイン 氏がCEOを辞任する意向だと報じていた。

ケイン氏は1969年にベアー・スターンズに加わり、93年にCEOに就任し た。サブプライムローン関連証券に投資していた同社のヘッジファンドの破た んは、全面的なサブプライム危機の引き金を引いた形になった。ベアー・スタ ーンズでは既に、ケイン氏の後継者として有力視されていたウォーレン・スペ クター共同社長(当時)が更迭されており、問題のヘッジファンドを運用して いたラルフ・シオフィ氏も先月退社した。

圧力ではない

ビーネン氏によると、ケイン氏は辞任を考えていることを昨年12月に取締 役らに告げていた。取締役会は同氏に決断を迫ることはしなかったという。「明 らかに圧力のあったメリルなどとは状況が異なる」と同氏は述べた。また、シ ュワルツ氏は次期CEOとして「当然の選択だ」として、「経験豊富で取締役会 の信頼も厚い」と述べた。

シュワルツ氏は1972年にデューク大学を卒業。76年にベアー・スターンズ に加わった。グリーンバーグ前CEOの目に留まり79年にニューヨークに異動。 85年に執行副社長となり初期の投資銀行部門を育てた。6年後に共同社長とな り、スペクター氏とともに同職を務めた。

ケインCEOは07年12月に、「容認できない」業績を受けて同氏と経営幹 部が07年度(11月期末)の賞与を受け取らないことで合意したと述べていた。

サブプライム危機に絡み、世界の金融機関は少なくとも970億ドル(約10 兆6000億円)の評価損と貸し倒れ損失を公表している。ビーネン氏は「金融機 関が間違いを犯したことは明らか」だが、「1人の人間が引き起こしたことでも なければ、1人の人間が解決できるものでもない」と話した。

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