日本株:輸出や商社中心に5日続落、米経済警戒-今後決算続々(2)

午前の東京株式相場は5日続落となり、任 天堂やトヨタ自動車など輸出関連株が全般の下げを主導した。商品相場下落に 伴う需要減退懸念から、三菱商事や国際石油開発帝石ホールディングスなど資 源関連の一角も安い。業績予想を下方修正した一部の小売株の下げも目立った。 9日から始まる米企業の第4四半期(2007年10-12月)決算発表や、10日の バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の講演など注目材料を控え、米国 を中心とした景気の先行き警戒感が根強い。

日経平均株価の午前終値は前日比41円81銭(0.3%)安の1万4458円74 銭、TOPIXは同2.01ポイント(0.1%)安の1390.70。東証1部の売買高 は概算で9億1667万株、売買代金は同1兆838億円。値下がり銘柄数は1029、 値上がりは551。東証業種別33指数では17業種が下落、16業種が上げている。

水戸証券の松尾十作投資情報部長は、来週に予定される米大手銀行の決算 発表で、「各行がどの程度追加の評価損を積み増し、それに対し市場がどのよ うな反応を示すのかを見極めたいとの心理が強く働いている」と指摘した。

6日には、欧州大手銀のクレディ・スイス・グループが10-12月期にさ らに25億スイス・フラン(約2450億円)の評価損を計上する可能性があると スイスの週刊紙が報じているだけに、「投資家は慎重姿勢を崩せないでいる」 (松尾氏)ようだ。

米国では、9日に非鉄大手のアルコアが07年10-12月期決算を発表する のを皮切りに、来週には半導体最大手のインテルのほか、米住宅問題の影響が 注されるシティグループ、JPモルガンチェース、ウェルズ・ファーゴなど大 手銀行の決算発表が本格化する。

前引けにかけ下げ渋り、勢いは弱い

この日も日本株は売り先行で始まり、日経平均は午前9時6分にこの日の 安値となる134円安の1万4365円まで下げた。その後も買い戻す勢いは弱く、 安値圏で方向感なく推移した。午前の取引終了にかけて水準を切り上げたが、 前日比プラスに浮上するには至らなかった。

水戸証の松尾氏によると、「朝方の外国人動向がさえなかったことで、取 引開始後の国内勢による押し目買いが鈍った面もある」という。この日、取引 開始前の外資系証券経由の注文状況は、差し引き1090万株の売り越しと観測 されていた。売り越しは年初から3日連続で、売り越し額は昨年12月21日 (1290万株)以来の高水準。

景気敏感業種の持ち高を落としている

みずほ投信投資顧問運用本部の荒野浩理事は、日本株が下げ止まらない状 況について、4日に発表された07年12月の米国の雇用関連統計が悪化を示し たことが尾を引いているとの認識だ。「米労働市場の悪化は消費の落ち込みに つながるが、米個人消費は世界全体のGDPの1割超を占めるなど影響は甚大 だ」(同氏)という。

また荒野氏は、米国をはじめとした先進国だけでなく、BRICsなど新 興国も含めた世界的な景気減速が強く意識されており、「投資家は国内外の景 気に敏感な業種・銘柄のポジションを落としている」と話す。

松屋が急落、極東貿易は値下がり率トップ

個別では、悪材料の出た小売株に下げるものが目立つ。衣料品の販売が不 振として今期(2008年2月期)の連結営業利益が一転して減益の見通しとなっ た松屋が急反落。売上高の減少や特別損失の計上により通期(08年8月期)の 業績予想を下方修正したライトオンは5日続落。米衣料専門店子会社の業績悪 化や単体の利益改善が遅れているとして、増益を想定していた今期(2008年2 月期)の連結営業利益が10期ぶりの減益に転じる見込みと発表したイオンは、 小幅ながら7日続落。

海上自衛隊の潜水艦用アンテナの納入で、防衛省への見積書の偽造と過大 請求があったと発表した極東貿易は17%安と急落し、年初来安値を更新。東証 1部の値下がり率トップに立っている。

海運反発、栗田工や電源開発も高い

半面、川崎汽船が4%超上昇するなど海運株が高い。東証海運株指数は、 同業種別33指数の中で上昇率トップ。ドイツ証券が7日付で、海運大手3社 である日本郵船、商船三井、川崎汽船の投資判断を「買い」で新規に調査を開 始したことを材料視。国際運賃指標であるバルチック海運指数が7日、11営業 日ぶりに反発したことも好感されている。

このほか、シャープの液晶新工場向けに「超純粋」を供給するため、向こ う3年間で500億円の投資を行うと一部で報道された栗田工業が4営業日ぶり に反発。筆頭株主の英投資ファンド、ザ・チルドレンズ・インベストメント・ ファンド(TCI)から役員2人を社外取締役として受け入れるよう求める経 営提案を正式に拒否した電源開発が5営業日ぶり反発。

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