大田経財相:米景気の減速懸念は「かなり注意してみていく必要」(2

大田弘子経済財政政策担当相は8日午前の 閣議後会見で、米国経済について「実体経済の減速懸念はかなり注意してみて いかなくてはならない」と述べ、米景気の動向を注視していく姿勢を示した。 一方、日本経済については、「下振れリスクは高まっている」としながらも、「今 の時点では景気回復の基調に変化はない。緩やかな回復は持続する」との考え を示した。

米国経済は年初から減速を示す指標が相次いでいる。12月の雇用統計では、 非農業部門雇者数が前月比1万8000人増加と、エコノミスト予想(7万人増) を大幅に下回ったほか、米供給管理協会(ISM)が2日に発表した12月の 製造業景況指数は47.7(前月50.8)に低下し、2003年4月以来の最低となった。

大田経財相は米国経済について、雇用や企業の景況感に減速懸念は表れて いるが、「消費という形で明示的に出てきていない。生産がそれほど悪いわけ ではない」と指摘した。

一方、米国経済の減速が日本経済に与える影響に関連し、同相は①日本か らの米国向け輸出への影響②円高や原油高による日本企業の収益への影響③ 米景気減速によるアジア経済への影響-に細心の注意を払いたいと語った。

また、今年の日本経済については、「賃金が上昇するかどうかが最大の注目 点だ」と述べ、「デフレ脱却を判断する4つの指標からは、GDP(国内総生 産)デフレーターは縮小に足踏みが見られる、その背景にユニット・レーバー・ コスト(時間当たりの労働コスト)が下がってきていることがある」と説明し た。

デカップリング

米国経済が減速しても新興国の経済が世界経済の成長を補完するデカップ リング(非連動)については、「これまでは米国経済がやや減速しても、経済 自体は堅調に推移している。それは新興国が堅調だからだ」と説明。 一方で、 「そんなに強いデカップリングではないだろう」とも述べ、「やはり米国経済 が減速すると中国などアジアにも及び、それが経由して日本にも影響が及ぶ。 米国経済の減速がどの程度かによる。新興市場の経済にも十分注意していかな ければならない」と語った。

また、米国で物価上昇と景気後退が同時に進むスタグフレーションが起き る可能性については、「注意はしなくてはならないが、まだ様子を見ないと何 とも言えない」と述べるにとどめた。日本でスタグフレーションが起きる可能 性に関しては、「デフレ脱却は足踏みしている状態なので、まだその懸念は弱 いだろう」との認識を示した。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE