米国株:今年初めての上昇-イーライ・リリーやAT&Tが高い(2)

米株式市場のダウ工業株30種平均と S&P500種株価指数は今年初めて上昇した。医薬品メーカーや公益株 が上げをけん引した。アナリストが景気減速の影響を受けにくいこうし た銘柄の買いを推奨したことが強材料となった。

製薬大手イーライ・リリーとバイオテクノロジー企業のバイオジェ ン・アイデック、バイオ製薬会社のセルジーンなどの主導で、ヘルスケ ア関連企業が5カ月ぶりの大幅な上げとなった。またFPLグループな ど公益株が上昇。米通信サービス最大手AT&Tとたばこ最大手のアル トリア・グループへの買いも膨らんだ。ドイツ銀とゴールドマン・サッ クス・グループが両社株式の買いを推奨したことが手がかりとなった。

S&P500種株価指数終値は前週末比4.55ポイント(0.3%)上げ て1416.18。ダウ工業株30種平均は同27.31ドル(0.2%)高の

12827.49ドルとなった。ナスダック総合指数は同5.19ポイント (0.2%)安の2499.46ポイント。半導体大手エヌビディアの10%下落 が響いた。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の騰落比率は6対5。

投資家のマーク・ファーバー氏はブルームバーグテレビとのインタ ビューで、株式は「売られ過ぎ」との見解を示し、「今週に底を打ち、 その後上昇すると予想している」と述べた。

イーライ・リリー上昇

S&P500種株価指数はこの日、前営業日比で最大0.6%下落まで売 り込まれる場面もあったが、取引終了前の1時間で反発した。エネルギ ー株とテクノロジー株が特に軟調だった。原油相場の続落でエネルギー 生産業者の利益見通しが不透明となったことや、アナリストが景気の一 段の鈍化でテクノロジー企業の利益が圧迫されるとの見方を示したこと が背景。

イーライ・リリーは上昇。モルガン・スタンレーのアナリストはイ ーライ・リリーの今年度と来年度の1株当たり利益見通しを引き上げた。 モルガン・スタンレーのアナリストは、「リセッション的な環境」でも イーライ・リリーの利益が持ちこたえるとの見方から、株式は買われる だろうと指摘した。

バイオジェンも上昇。同社は08年度の売上高が前年比で最大20% 増加するとの見通しを示した。また同社の07年度通期利益も当初予想の 1株当たり最大2.70ドルを上回ったもようだという。

セルジーン

バイオ製薬会社のセルジーンも高い。同社は主力製品の07年10- 12月(第4四半期)の売上高がアナリストの予想を上回るとの見通しを 示した。

S&P500種のヘルスケア企業で構成する指数は前週末比2.2%上昇 と、10指数のうち2番目に堅調だった。

AT&Tも堅調。ドイツ銀はAT&Tがいわゆる大型株のなかで今 年の「一番の選好銘柄」だと指摘。1けた半ばの売上高の伸びが見込め ることと、170億ドル以上が09年までに株主に還元される可能性を理由 に挙げた。

アップル下落

アップルや、携帯電子メール端末「ブラックベリー」を製造・販売 するカナダのリサーチ・イン・モーション(RIM)、エヌビディアが下 落。パソコン大手のデルや同業のヒューレット・パッカード(HP)も 売りに押された。S&P500種のテクノロジー株71銘柄で構成する指数 は前営業日比0.8%下落した。

モルガン・スタンレーは「緩やかな」米リセッションを反映させる として、コンピューターハードウエア企業の利益見通しを引き下げた。 モルガン・スタンレーのアナリスト、キャスリン・ハバーティ氏はこれ ら企業の増益率は前年比12%にとどまるとの見通しを示した。予想平均 は23%増。

世界最大のコンピューターサービス会社、IBMも下落。UBSの アナリスト、ベンジャミン・ライツィス氏はIBMの株式投資判断を 「買い」から「中立」に引き下げた。同氏は調査リポートで、IBMの 顧客が恐らく「経済的な圧力」からの自衛手段としてストレージ(外部 記憶装置)やサーバー、パソコンへの支出を縮小するとの見通しを示し た。

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