米国債見通し:2年債に妙味なし-利下げでも1989年の再来は望めず

米国の住宅市場は第2次世界大戦後で最悪 の不況に見舞われている。米連邦準備制度はひどいリセッション(景気後退) を回避しようと全力を尽くしている。短期米国債の投資家にとっては良い環境 だ。

フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標が4回引き下げられた1989 年には、米2年債は10%の投資リターンを上げた。しかし、今年にその再来 を予想する声はない。年初の米国債相場は2001年以来の好調だったにもかか わらず、ブルームバーグ・ニュースが実施したエコノミストやストラテジス ト65人の調査では、08年の投資リターンは2%以下との予想が示された。

先週は、米国のサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン関連証 券や米景気減速への懸念が質への逃避を引き起こし、2年債利回りはフェデラ ルファンド(FF)金利の誘導目標(現行4.25%)を1.5ポイント下回る水 準まで低下した。合計で1兆ドル(約108兆円)を運用するFAFアドバイザ ーズ、フェデレーテッド・インベスターズ、フィフス・サード・アセット・マ ネジメント、ハートフォード・インベストメント・マネジメント、パシフィッ ク・インベストメント・マネジメント(PIMCO)は、スプレッドは利下げ 予想を織り込んだ上でも、大き過ぎるとみている。

FAFアドバーザーズで運用に携わるワンチョン・クン氏は、投資家は 「悲惨な事態を想定している」と指摘した。同氏はサブプライム問題で連れ安 となっている商業用不動産などを担保とした資産担保証券(ABS)は2年物 米国債よりも有利な投資先との見方を示した。政策金利の動向に2年債ほど敏 感でない5年債も買っているという。

上昇サイクルは終わり

キャンター・フィッツジェラルドによると、2年債(表面利率3.25%、 2009年12月償還)の利回りは先週、35ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)低下し2.75%で終了した。5年債は31bp低下の3.18%、10年債は 21bp低下し3.87%だった。

PIMCOの投資責任者、ビル・グロス氏は4日のテレビインタビューで、 米国債投資に「高いリターンは望めない」として、「米国債以外」を購入して いると語った。また、政府支援機関(GSE)のファニーメイ(連邦住宅抵当 金庫)とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)の保証付きの住宅ローン担 保証券(MBS)を選好していると述べた。

フェデレーテッドで運用に携わるドナルド・エレンバーガー氏は「現在の 水準の米国債にはあまり妙味がない」とし、利下げに伴う短期債の上昇から利 益を得るためには2年債よりも5年債を購入していると述べた。

また、ハートフォードのポートフォリオマネジャー、ジョン・ヘンドリッ クス氏は住宅市場減速と1バレル=100ドルの原油高のなかでも米経済はリセ ッション(景気後退)を免れると予想し、「そこまで悲観的になれない」とし て2年債は割高との見方を示した。

ユナイテッド・ネーションズ・フェデラル・クレディット・ユニオンの投 資責任者、クリストファー・サリバン氏も「相場は上昇しきっている」として、 「極端に悪い指標が出ない限り、今回の上昇サイクルは終わりだ」と述べた。 同氏は07年12月の雇用統計発表後に語った。

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