日本株(終了)4日続落、米雇用悪化と円高警戒-TOPIX1400割れ

週明けの東京株式相場は4営業日続落。T OPIXの終値は、2005年10月25日以来の1400ポイント割れとなった。07 年12月の米国の雇用統計が悪化を示したことで、米住宅問題の広がりによる 実体経済への悪影響が顕在化してきたとの警戒感が強まり、電機や輸送用機器 など輸出関連株を中心に下落。外国為替相場が円高傾向にあることも採算悪化 への警戒につながり、輸出株には逆風となった。国内外の景気後退懸念から、 川崎汽船など海運株、三菱地所など不動産株の下げも目立った。

日経平均株価の終値は前週末比190円86銭(1.3%)安の1万4500円55 銭、TOPIXは同19.20ポイント(1.4%)安の1392.71。東証1部の売買 高は概算で20億5899万株、売買代金は同2兆5410億円。値下がり銘柄数は 1187、値上がり銘柄数は442。

トヨタアセットマネジメント投資戦略部の濱崎優シニアストラテジストは、 米サブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題の広がりに伴い、 「米国の経済統計は少なくとも年央まで継続的に弱い数字が出てくるだろう」 との見解だ。その上で同氏は、「値ごろ感のみを拠り所に現時点で株を積極的 に買うと、年前半のうちに大きな損失を抱えてしまう可能性もある」と述べ、 投資に慎重な姿勢を示していた。

日経平均は14500円の攻防に

この日の日本株は売り先行で始まり、日経平均は午前9時20分過ぎに 252円安の1万4438円まで下げた。しかしこの時点で、直近4営業日での日 経平均の下げ幅が1200円を超え、「短期的な売られ過ぎ感が強まり、テクニ カルリバウンドの動き」(野村証券の佐藤雅彦エクイティ・マーケットアナリ スト)から下げ渋り、午前10時半過ぎには23円安の1万4667円まで下げ幅 を縮めた。ただ、一段と買い戻す勢いは鈍く、午前終了にかけて再び下げ基調。

午後に入ると、相場全般に方向感を欠く展開となり、日経平均は節目とな る1万4500円の攻防となった。BNPパリバ証券の平塚基巳株式営業部部長 によれば、米景気の先行き不透明感が強まっているため、世界的に株式への投 資にネガティブになっており、「日本株についても投資家が配分比率を落とし てきている可能性がある」という。

長期投資家に買い場到来も、下値拾いは限定

東京海上アセットマネジメント投信運用戦略室の平山賢一チーフストラテ ジストは、「企業の実態と比べ売られ過ぎの銘柄が増えており、長期投資家に とっては買い場の到来とも言える」と指摘した。ただ、米供給管理協会(IS M)が2日に発表した12月の製造業景況指数が景況感の分かれ目である50の 水準を割り込み、4日に発表された米雇用統計が想定を上回る悪化となってお り、「米景気の先行きに対する不安感が市場参加者の間で高まり、下値を拾う 動きも限定的とならざるを得ない」(同氏)という。

米労働省が4日に発表した07年12月の雇用統計によると、非農業部門雇 用者数は前月比1万8000人増加と、ブルームバーグ・ニュースがまとめたエ コノミスト予想の中央値(7万人増)を大幅に下回った。こうした影響を受け、 同日の米ダウ工業株30種平均は2%以上下げ、年初から3日の下げ率として は1904年以来で最大を記録。また、ニューヨーク外国為替市場の円相場は、 キャリー取引解消の動きなどからドルやユーロをはじめ主要16通貨すべてに 対して上昇、一時1ドル=107円91銭まであった。

海運株が下落率トップ

東証業種別33指数の中では、海運株が全33指数の中で下落率トップ。午 後の取引で5.1%安の1203.68まで下げ幅を広げる場面があった。BNPパリ バの平塚氏は、「資源高がコストアップにつながるとの懸念があるほか、米住 宅問題の広がりで世界景気が停滞すれば、海運需要の後退は避けられないとの 警戒感も色濃く表れている」と指摘した。直近の動きは、主に短期的なスペキ ュラティブなものだろうとしつつも、「中長期的にも意識しておかなければな らないファクターだ」(同氏)という。

任天堂や半導体関連安い、Gウィルは連日ストップ安

個別材料が出たところでは、米ゲーム市場に関する弱気報道や為替相場の 円高傾向などをきっかけに任天堂が大幅続落で、終値で1カ月半ぶりの6万円 割れ。任天堂のゲーム機「Wii(ウィー)」でゲームをした際のエネルギー 消費量が、実際の運動よりかなり少ないことが分かったと読売新聞電子版で伝 わったことも、売り材料となったようだ。米タイムワーナー傘下の映画会社が HD-DVD陣営からの離脱を表明したことを受け、HD-DVD規格を推す 東芝は4日続落。

半導体大手インテルの株価がJPモルガン・チェースによる株式投資判断 引き下げが嫌気され、4日に8.1%安と急落したことから、東京エレクトロン や東京精密など半導体製造装置株、新光電気工業やイビデンなどICパッケー ジメーカ株にも下げるものが目立った。DCM Japanホールディングス は大幅に3日続落し、上場来安値を更新。12月の既存店売上高が前年同月比

6.3%減少したハニーズは10%安、グッドウィル・グループは6日連続でスト ップ安(値幅制限の下限)まで売り込まれた。

ディフェンシブ底堅い、中低位株買いも目立つ

半面、景気動向に収益が影響を受けにくいディフェンシブ銘柄が相対的に 強く、参天製薬など医薬品株、マルハニチロホールディングスなど水産・農林 業株、JR東海など陸運株の一角が上昇。ミレアホールディングスが約6%高 となるなど、保険株は東証業種別33指数の中で上昇率トップ。

09年3月期に欧州進出と東洋経済電子版が報じたTOTOが4営業日ぶ り反発。国内ユニクロ事業の12月の既存店売上高が前年同月比6.4%増とな ったファーストリテイリングも反発。アイネスや日立ソフトウェアエンジニア リングなど情報ソフト関連の一角も堅調だった。

東証1部全銘柄の約7割が下げる中、値動きの軽い中低位株への物色も目 立った。上昇率ランキング上位には古河電池、エス・サイエンス、さが美、ピ クセラなどが並ぶ。

ジャスダック指数は終値で昨年来安値

国内の新興3市場もそろって安い。東証1部が下落基調となったことから、 投資家心理の冷え込みが続き、主力インターネット関連株などを中心に売られ た。ジャスダック指数の終値は前週末比0.94ポイント(1.3%)安の69.56と 4日続落し、終値ベースでの昨年来安値を更新した。東証マザーズ指数は

9.56ポイント(1.3%)安の737.02、大証ヘラクレス指数は10.47ポイント (0.9%)安の1129.29とともに4日続落。

個別では、楽天、SBIイー・トレード証券、サイバーエージェント、オ ンコセラピー・サイエンス、マネーパートナーズが安い。07年9月中間期の 連結最終損益を従来の13億6800万円の赤字から16億4300万円の赤字に訂正 したテレウェイブはストップ安。半面、アウンコンサルティング、大阪証券取 引所、日本通信が高い。

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