債券相場は小幅高、米株安・債券高で買い先行-米大幅利下げ観測も

債券相場は小幅高(利回りは低下)。前週末 の米国市場で、12月の雇用統計が景気減速を示し、米株安・債券高となった地 合いを引き継ぎ、買い先行で始まった。ただ現物市場では、9日に10年債入札 を控え、高値圏では戻り売りなどが出やすく警戒感が高まる見込み。

みずほ証券チーフマーケットエコノミストの上野泰也氏は、米雇用統計を受 けて、「リセッション(景気後退)を防ぐ上で頼みの綱の雇用情勢にまで変調が 明確に及んできており、米連邦準備制度理事会(FRB)は危機感を強める見通 し。米利下げ続行は不可避であり、フェデラルファンドレート(FF)は少なく とも3.5%までは引き下げられることになるだろう」と予想している。

東京先物市場で中心限月3月物は、前週末終値比9銭高の137円41銭で寄 り付いた。その後も小じっかりに推移、午前9時3分現在、6銭高の137円38 銭で推移している。

野村証券チーフストラテジストの松沢中氏は、「今年1-3月期は米国のリ セッション入りが現実になるかどうか」を焦点に挙げ、「スタグフレーションは 懸念していない。景気が後退すれば、インフレリスクは後退する」との見方を示 した。

ただFRBによる金融緩和で過剰流動性が増えており、年後半にはインフレ リスクが浮上する可能性もあるという。

また三井住友銀行チーフストラテジストの宇野大介氏は、「今後の米政府の 景気対策と、1月29、30日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.5%の 利下げを市場がどう解釈するかだが、その前には米銀の10-12月期の決算が控 えている」と指摘した。

現物債市場で新発10年物の289回債利回りは、前週末比変わらずの

1.465%で取引を開始した。

日経平均株価は続落。前週末比142円03銭安の1万4549円38銭で寄り付 いた。

米国市場は雇用統計など受け株安・債券高

4日の米国債相場は続伸。朝方発表された12月の米失業率が約2年ぶりの 高水準となり、リセッション回避のため、利下げ幅が予想より大幅になるとの見 方が強まった。

1月末のFOMCに向け、0.5ポイントの利下げ確率が初めて50%以上とし て織り込まれるなか、2年債利回りは2004年11月以来の低水準を付けた。今週 の米国債相場は住宅市場低迷で景気が一段と鈍化するとの懸念から上昇した。

キャンター・フィッツジェラルドによると、2年債利回りは前日比8bp低 下し2.73%。利回りは一時、04年11月以来の低水準となる2.66%を付けた。

一方、米株式相場は大幅下落。S&P500種株価指数の年初から3日間の下 げ率は2000年以来で最大となった。

S&P500種株価指数は前日比35.53ポイント下げて1411.63。年初から3 日間の下落率は3.9%と、2000年に記録した同4.6%以来で最大。ダウ工業株30 種平均は256.54ドル安の12800.18ドルとなった。年初来3日間の下落率として は1904年以来で最大となった。

12月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比1万8000人増加と なり、市場予想(7万人増加)を下回った。また、家計調査による同月の失業率 は5.0%と2005年11月以来の高水準に上昇した。

JPモルガン証券チーフエコノミストの菅野雅明氏は、FOMCに関して、 「1月に50bp、3月に25bpそれぞれ利下げすると予測を変更した(従来は1月 に25bpの利下げのみ)。その結果、FFレートは3.5%まで低下することにな るが、この水準は中立水準を大幅に下回り、十分に景気刺激的である」と説明し た。

また日銀の利上げ時期予測に関しても、従来の2008年6月から2008年10 -12月期に後ずれさせた。

(債券価格)                           前週末比       利回り
長期国債先物3月物         137.38      +0.06         1.646%
売買高(億円)             4053
10年物289回債            100.30               1.465%(変わらず)

--共同取材:吉川淳子、宋泰允 Editor:Hidenori Yamanaka,Masaru Aoki

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