日本株は続落へ、米雇用悪化と円高で輸出に売り-14500円攻防(2)

週明けの東京株式相場は続落する見込み。 2007年12月の米国の雇用統計が悪化を示したことで、米住宅問題の広がりによ る実体経済への悪影響が顕在化してきたとの警戒感が強まる。自動車や電機な ど輸出関連株中心に幅広く売りが先行しそうで、外国為替市場で円高が一段と 進行していることも、採算悪化を懸念した売りが輸出株には出やすくなる。日 経平均株価は、1万4500円の節目を巡る攻防となりそうだ。

みずほ証券の北岡智哉ストラテジストは、「米株の下落が止まらない上、 円高も進展しており、大発会の流れを引き継ぎ、下値不安を抱えながらの相場 展開を強いられそうだ」との見方を示した。

ただ一方で、米政府が減税を含む総合的な景気対策の検討に着手したこと もあり、米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題に伴う金融 不安は沈静化に向かう可能性が高まっているとも指摘。「値ごろ感を背景に、 押し目買いに動き始める中長期投資家も出てくるだろう」(北岡氏)という。

米シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物3月物の4日清算値は1万4505 円で、同日の大阪証券取引所の終値(1万4660円)に比べて155円安だった。 4日の日経平均株価は1万4691円41銭で取引を終えていた。きょう朝方の日 経平均は、CME清算値が位置する1万4500円付近を意識した始まりが予想さ れる。

米株は大幅安、雇用者・失業率とも想定外の悪化

米労働省が4日に発表した12月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数 (事業所調査、季節調整済み)は前月比1万8000人増加と、ブルームバーグ・ ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値(7万人増)を大幅に下回った。 また、家計調査による12月の失業率は5.0%に上昇と、2005年11月以来の高 水準に上昇。予想の4.8%も上回った。

こうした雇用情勢の悪化が嫌気され、4日の米株式相場は大幅安となった。 ダウ工業株30種平均は前日比256.54ドル(2%)安の12800.18ドルで終え、 年初来3日間の下落率は3.5%と1904年以来で最大を記録。また、ナスダック 総合指数は98.03ポイント(3.8%)低下し2504.65で引け、年初から3日間の 下落率は5.6%と1971年のナスダック市場開始以来で最悪のスタートを切った。

金融不安と景気悪化に歯止めをかけるため、米連邦準備制度理事会(FR B)は4日、今月14日と28日に実施予定の2回のターム物資金入札について、 規模を当初の予定額からそれぞれ50%拡大し、各300億ドル(約3兆2600億円) にすると表明したが、市場では目立った反応は見られなかった。

為替市場では円高、円キャリー解消

4日のニューヨーク外国為替市場で円相場は、ドルやユーロをはじめ主要 16通貨すべてに対して上昇した。米雇用の急減速を受けて、米国の景気失速が 世界に広がるとの思惑から、投資家が低金利通貨の円で資金を調達し、高金利 通貨で運用する円キャリー取引を解消したことによる。ドル・円相場は、一時 1ドル=107円91銭と、昨年11月27日以来、約1カ月ぶりの安値を付ける場 面があった。

フェデラルファンド(FF)金利先物相場の動向によると、米連邦公開市 場委員会(FOMC)が30日に0.5ポイントの利下げを実施する確率は4日に 58%と、前日の34%から大幅に上昇した。1週間前はゼロだった。0.25ポイン トの利下げ確率は42%。このように、雇用統計の悪化をきっかけに、米金利の 低下観測は強まっており、ドル安バイアスがかかりやすくなっている。

7日早朝の東京外国為替市場でも円高基調にあり、対ドルでは1ドル=108 円50銭付近、対ユーロでは1ユーロ=160円10銭近辺で取引されている。

東芝や高島屋が下落公算、Fリテイリは上昇か

個別では、米タイムワーナー傘下の映画会社が、HD-DVD陣営からの 離脱を表明したことを受け、HD-DVD規格を推す東芝が下落公算。昨年12 月の売上高が前年同月を下回った高島屋、三越、J.フロントリテイリングも 軟調な展開を強いられそうだ。

半面、国内ユニクロ事業の2007年12月の既存店売上高が前年同月比6.4% 増となったファーストリテイリングには買いが先行しそう。12月の既存店売上 高が同2.6%増、客数も同5.5%増と伸びたポイントも上昇する可能性がある。

このほか、子会社のセブン銀行が2月をめどに東京証券取引所に上場する 方針を固めたと5日の読売新聞朝刊で伝わったセブン&アイ・ホールディング ス、衛星打ち上げ用の国産大型ロケット「H2A」の打ち上げ価格を3割引き 下げ、欧米の競合他社並みの70億円程度にすると7日付の日本経済新聞朝刊で 報じられた三菱重工業などの株価動向も注目される。

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