今週の米経済指標:11月の貿易赤字は拡大へ-石油輸入額が過去最高に

今週発表の米経済指標では、石油輸入額が過 去最高に達した影響で11月の貿易赤字が拡大したことが示されるもようだ。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想(中央値)による と、商務省が11日発表する11月の貿易赤字は595億ドルと、5カ月ぶりの高 水準になる見込みだ。全米不動産業者協会(NAR)が今週初めに発表する統 計では、中古住宅販売成約が減少したことが示される見通しだ。

貿易統計では輸出が引き続き増加し、製造業の急激な景気悪化を防いでい ることも浮き彫りになる可能性が高い。燃料価格上昇や住宅市況の悪化、失業 率上昇を背景に景気拡大が行き詰る恐れが出ているなかで、輸出の重要性はさ らに高まっている。

三菱東京UFJ銀行のエコノミスト、エレン・ゼントナー氏(ニューヨー ク在勤)は「貿易は引き続き米経済の中でわずかな明るい分野の1つになって いる」と語り、「住宅分野の悪影響の多くを補ってきている」と指摘した。

11月の貿易赤字は10月の578億ドルから拡大し、3カ月連続の悪化となる 見通しだ。一方、海外の購入者にとって米国製品が割安になるドル安が、輸出 の追い風となっている。連邦準備制度が算出している貿易加重平均のドル指数 では、ドルは11月までの1年間に7%下落した。

輸出は3-10月にかけて毎月、過去最高を記録していた。中国や中南米の 経済成長で航空機や産業用エンジンなどの需要が高まるなかで、輸出は増え続 ける可能性が高い。

住宅販売

NARが8日発表する11月の中古住宅販売成約指数は前月比0.6%低下す る見通しだ。景気の先行指標の1つとみなされる同指数は、10月まで2カ月連 続でプラスだった。

エコノミストによると、住宅価格下落を背景に潜在的な住宅取得者は価格 がさらに下がるまで購入を控えていることから、住宅販売は早くても2008年半 ばまでに改善する可能性は低い。住宅保有者も不動産価格下落で住宅資産が目 減りし、金銭的豊かさへの実感が低下しており、個人消費にとってもう1つの 逆風となっている。

エネルギー価格の上昇も懸念材料だ。ニューヨーク原油先物相場は3日に 一時、過去最高の1バレル=100.09ドルを付けたことから、石油輸入が引き続 き貿易不均衡を拡大することが示唆されたとエコノミストはみている。

12月の輸入物価は原油市場が小康状態を保ったことで、前月比ほぼ横ばい となりそうだ。石油価格の影響で11月の輸入物価指数は前月比2.7%上昇と、 17年ぶりの大幅な上昇率を記録している。同指数は労働省が11日に発表する。 エコノミストによると、景気冷え込みのために燃料価格上昇が広範な物価上昇 を招くことはなさそうだ。

ブルームバーグ調査

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経済指標          日付    期間        前回実績      予想
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中古住宅販売成約指数         1/8       11月       0.6%     -0.6%
消費者信用残高(億ドル)      1/8       11月      47        80
新規失業保険申請件数(万件)  1/10      1/6      33.6      34.0
失業保険継続受給者数(万人)  1/10      12/30    276.1     274.0
卸売在庫                1/10      11月      0.0%      0.4%
貿易収支(億ドル)            1/11      11月   -578      -595
輸入物価指数                  1/11      12月      2.7%      0.0%
財政収支(億ドル)            1/11      12月    420       500
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・発表時刻はワシントン時間
・「%」は増減率
・「-」はマイナス
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