ECBはインフレとの戦い継続、市場の緊張は弱まる-トリシェ総裁

欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は5 日、金融市場の緊張は弱まっているとした上で、ECBは引き続きインフレと の戦いに取り組んでいると述べた。

トリシェ総裁は、ドイツ与党・キリスト教民主同盟(CDU)の会合で講 演し「緊張は依然として強いものの、弱まっている」と指摘。「ECB政策理事 会には、使命に沿って、物価安定の上振れリスクに対処する準備がある」と述 べた。

ECBは昨年9月、米国の住宅市場の落ち込みに伴う経済的影響を考慮し、 計画していた利上げの実施を見送った。その後ユーロ圏のインフレ率はこれま でに約6年ぶりの高水準に上昇。政策理事会メンバーの間には利上げを求める 声が上がっている。

欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が4日発表した昨年12月のユ ーロ圏消費者物価指数(CPI)の上昇率(前年同月比ベース)は3.1%で、前 月と同水準だった。ECBの目標インフレ率は「2%を若干下回る水準」。

ECBは今週10日、フランクフルトで定例政策委員会を開く。ブルームバ ーグ・ニュースがエコノミスト43人を対象にまとめたアンケート調査では、全 員が政策金利(現行4%)据え置きを予想した。

トリシェ総裁はまた、自らの発言について、10日の定例政策委での決定と 関連付けて解釈すべきではないと説明。欧州の経済成長見通しについては、金 融市場の不安定さに伴い「不確実性が高い」ため、「下振れリスク」があるとの 認識を示した。

総裁は、最近の原油や食品価格の「大幅な上昇」について、インフレ率を 「強く押し上げる影響」をもたらしていると指摘。高インフレの期間は当初予 想よりも長く続くとの見通しを示した。

さらに、欧州住宅市場は「比較的ソフトランディング(軟着陸)」になると 言及。最近の統計には「落ち着き」が見られるものの、住宅価格の伸びは従来 の展望よりも「比較的速い状態を維持する」と述べた。

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