日本株(終了)大発会は昨年来安値を更新、米景気懸念と円高で全面安

大発会の東京株式相場は3営業日続落でほ ぼ全面安となり、昨年11月安値を更新した。TOPIXは終値で2年2カ月 ぶりの安値水準まで下げ、大発会の下落率としては過去最大。米国景気の減速 や円高、原油高が景気や企業業績に与える影響が懸念され、電機や精密機器、 自動車など輸出関連株中心に東証1部の値下がり銘柄数は1600を超えた。海 運市況の悪化から海運株が東証1部業種別で下落率首位となったほか、金融株 なども安い。

T&Dアセットマネジメントの衣川明秀チーフ・ファンドマネージャーは、 「米国株安と為替が響き、予想以上に下げが勢いづいている」と指摘。大納会 後の米国株の下げ以上に日本株の下落が目立った点について、「この間の対ド ルで4円の円高が今期経常利益を2%程度押し下げることを株価に反映したた め」(同氏)と見ている。

大発会のTOPIXの終値は07年12月28日終値比63.77ポイント (4.3%)安の1411.91。これまでの大納会の下落率で最大だったのは1954年 の3.3%だった。日経平均株価は616円37銭(4%)安の1万4691円41銭で、 終値では06年7月以来ほぼ1年半ぶりの水準。東証1部の売買高は概算で14 億2426万株、売買代金は1兆7984億円。値上がり銘柄数は43、値下がり銘柄 数は1662。

米スタグフレーションを警戒

2008年相場は波乱の幕開けとなった。米国景気悪化、円高、原油高と企業 業績に対する悪材料が重なり、取引時間中の日経平均の下げ幅は一時765円の 1万4542円と昨年8月17日(886円)以来に達した。終値でも11月21日の 1万4837円を大きく下回った。キヤノンが約1年半ぶりの5000円割れ、三菱 UFJフィナンシャル・グループが約1カ月ぶりの1000円割れとなるなど、 株価が心理的な節目を下回る銘柄も相次いだ。指数の下げ幅が大きくなった点 について、ちばぎんアセットマネジメントの大越秀行運用部長は「ロスカット による売りやパニック的な処分売りが下げを加速させた」と解説する。

みずほ投信投資顧問の岡本佳久執行役員・株式運用第2部長は、「住宅問 題が実体経済に与える影響が懸念されてきたが、米国景気の悪化は加速してい る」と強調。一方で商品市況は、実体経済の動きを表さない金余りによる上昇 を示しているといい、「スタグフレーションになると、米国の金融政策の先行 きがみえなくなりつつある」(同氏)と指摘した。

連休期間中には、12月の米供給管理協会(ISM)製造業景況指数が

47.7(前月50.8)と景気の拡大と縮小の境目を示す50の水準を07年1月以来 割り込んだのを始め、小売や雇用関連の指標も悪化を示した。

日本の株式市場が07年大納会を終えた後の米国株の累計騰落率(07年12 月28日-08年1月3日の4営業日の動き)は、米ダウ工業株30種平均が27 日終値比2.3%安、ナスダックが2.8%安。これに対して日本株の下落率は 4%超と2%程度下げが大きくなっており、T&Dアセットの衣川氏が言う円 高による07年度業績の2%悪化を織り込み始めた形となった。

株価急落によって「PER(株価収益率)などバリュエーションから判断 すれば日本株は極めて割安の水準に入った」(衣川氏)とされるが、08年の日 本株は米国経済の減速から前半安・後半高を予測する向きが多い。「米国で景 気対策が打ち出されると予想される2月までは厳しい相場が予想される」(み ずほ投信の岡本氏)という。

輸出関連と海運の下げきつい

幅広い業種が売られた中、下げが目立ったのは輸出関連株。東証1部業種 別下落率上位では電気機器、機械、輸送用機器がそろって入るなど、米国景気 減速と円高による業績への影響が懸念された。

電機株ではソニーが6.6%安、キヤノンが5%安、アドバンテストが

6.8%安となり、市場平均を上回る下げとなった。みずほ投信の岡本氏は「原 油高を背景とした低燃費の日本車シフトが需要を下支えする自動車に比べ、電 機は個人消費減速の影響を大きく受ける」との見解を示す。また、米国ではイ ンテルなど半導体関連企業の業績に対してアナリストから慎重な見方が相次ぎ、 半導体関連の株価が急落していた。

このほか、商船三井や日本郵船が急落するなど海運株も東証1部業種別下 落率首位で下げがきつい。石炭や鉄鋼石などを運搬するばら積み船の運賃指標 となるバルチック取引所(ロンドン)のバルチック・ドライ指数が3日には9 日連続安となるなど下げ止まらず、市況安による収益先行き懸念が出ている。 米景気低迷による運搬量減少への不安に加え、原油高でコストも上昇する可能 性があることが下げを大きくした。

Gウィルが連続S安

個別では、業績悪化からグッドウィル・グループが5営業日連続で値幅制 限いっぱいのストップ安となり、東証1部値下がり率トップ。4日付の日経新 聞朝刊が次世代ウエハー研究開発拠点の新設を伝えたSUMCO、有価証券報 告書などに虚偽記載の疑いがあると3日付の朝日新聞朝刊が報じたIHI、08 年2月期の連結純利益計画値を12月28日に下方修正したユニーもそれぞれ急 落した。日本製紙グループ本社など原燃料高による収益悪化が警戒されたパル プ・紙株も下げた。

鉱業株は高い

半面、原油高を背景とした評価益の上乗せによる業績期待から、国際石油 開発帝石ホールディングスなど鉱業株の一角が堅調。東証1部値上がり率上位 では、ピクセラ、ファミリーマート、鈴丹なども高い。日興シティグループ証 券が目標株価を4100円に引き上げた久光製薬は3日続伸。

新興3市場も安い

国内の新興3市場も安い。米国景気減速や円高、原油高による景気先行き 不透明感から、業種を問わず次第に下げ幅が拡大した。楽天や竹内製作所、テ レウェイヴ、サイバーエージェント、ACCESS、アセット・マネジャーズ が下落。半面、オンコセラピー・サイエンスやタカラバイオなど、バイオ関連 株の一角が高い。

ジャスダック指数の終値は07年12月28日終値比1.67ポイント (2.3%)安の70.50、東証マザーズ指数は36.60ポイント(4.7%)安の

746.58、大証ヘラクレス指数は40.49ポイント(3.4%)安の1139.76。そろっ て3営業日続落となった。

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