東証再開来で最悪の大発会、日本株急落に投資家の警戒感募る(2)

大発会の日経平均株価は前営業日比616円 37銭(4%)安の1万4691円41銭と大幅続落して終え、東京証券取引所が再 開した1949年以降、大発会の下落幅としては最大を記録した。大発会の下げ は7年ぶりで、金融不況にあえいでいた99年などバブル経済崩壊の処理真っ 只中であった90年代をもしのぐ年明け早々のショック安に、投資家もやや困 惑気味だ。

T&Dアセットマネジメントの衣川明秀チーフ・ファンドマネージャーは、 この日の日本株急落を「米国株安と円高が響き、予想以上に下げが勢いづいて いる。大納会後の米国株の下げ以上に日本株は下落が目立つのは、この間の対 ドルでの約4円の円高が企業業績を2%程度押し下げることを株価に反映した ため」 と振り返る。

スタグフレーション

東京市場が年末年始の休場中、米ダウ工業株30種平均は08年最初の取引 となった2日に200ドル以上下げ、ドル・円相場は1ドル=109円台へと、昨 年の大納会時点における113円付近から急速に円高・ドル安が進んだ。米供給 管理協会(ISM)が発表した製造業景気指数の低調で米国の景況感悪化が懸 念されたほか、ニューヨーク原油先物相場が史上初めて一時1バレル=100ド ルに乗せ、景気への悪影響を警戒する動きも米国株安、ドル安を誘発したと見 られている。

みずほ投信投資顧問の岡本佳久執行役員・株式運用第2部長は、「米国景 気の悪化は加速している。しかし反対に、原油など商品市況は実体経済の動き を表さない上昇を示しており、スタグフレーション(景気停滞時の物価上昇) によって金融政策の先行きが見えなくなりつつある」と指摘した。米国では大 統領選を控えて減税政策などが予想されるが、原油高で有効性は微妙になる可 能性があり、「米国で景気対策が打ち出されると見込まれる2月までは、厳し い相場が予想される」 (岡本氏)という。

国内独自の要因も

ちばぎんアセットマネジメントの大越秀行運用部長は、この日の急落を 「直接的インパクトは米国株安、原油高、円高と外部要因の悪化だが、1日の 値幅から見れば、ロスカット(損失確定)などパニック的な売りで下げが加速 したと見る。多くの市場参加者がまだ休み中で、腰の入った買いはなかった」 と解説。その上で、今後の展望について「外部環境は一方的に悪くなるわけで はないので、日本株も外部環境に引っ張られる形でのテクニカルリバウンドは あると思うが、昨年もパフォーマンスが悪かった理由には景況感の悪化、政局 混乱に伴う改革プレミアムのはく落など国内要因もある。現段階では、国内要 因主導によるリバウンドシナリオは描きにくい」と話した。

大越氏は、「日経平均の1万4000円台前半は、バリュエーション面で十 分支えられる水準だが、瞬間的には安値がもう少しあると見ている」そうだ。

大和証券SMBCエクイティ・マーケティング部の西村由美上席課長代理 も、「本来なら日経平均株価で1万5000円を割り込んだ水準では、国内機関 投資家や個人投資家からの押し目買いが入るところ」との認識を示唆。ただ、 「米サブプライムローン(低所得者向け住宅融資)問題の実体経済への広がり に対する警戒感が根強い中、日本時間の今晩発表される12月の米雇用統計を 見極めたいとの心理が強く働き、国内勢は静観の構えを崩していない」(同 氏)という。

住信アセットマネジメント株式運用部の吉田大介シニアファンドマネージ ャーは、「国内投資家は中期的に魅力のあるアジアマーケットに逃げている。 日本株は海外と比べて出遅れ感があるが、それを払しょくできるほど日本がア ウトパフォームするかどうかは難しい」と指摘。日本株の市場参加者の間では、 先行きへの警戒と不安感が広がっている。

【1990年以降の大発会の日経平均株価騰落、△は上昇、▼は下落】
      日経平均終値   前営業日比較(%)
2008年   14691円41銭  ▼616円37銭(▼4%)
 07年   17353円67銭  △127円84銭(△0.7%)
 06年   16361円54銭  △250円11銭(△1.6%)
 05年   11517円75銭  △ 28円99銭(△0.3%)
 04年   10825円17銭  △148円53銭(△1.4%)
 03年    8713円33銭  △134円38銭(△1.6%)
 02年   10871円49銭  △328円87銭(△3.1%)
 01年   13691円49銭  ▼ 94円20銭(▼0.7%)
 00年   19002円86銭  △ 68円52銭(△0.4%)
1999年   13415円89銭  ▼426円28銭(▼3.1%)
 98年   14956円84銭  ▼301円90銭(▼2%)
 97年   19446円00銭  △ 84円65銭(△0.4%)
 96年   20618円00銭  △749円85銭(△3.8%)
 95年   19684円04銭  ▼ 39円02銭(▼0.2%)
 94年   17369円74銭  ▼ 47円50銭(▼0.3%)
 93年   16994円08銭  △ 69円13銭(△0.4%)
 92年   23801円18銭  △817円41銭(△3.6%)
 91年   24069円18銭  △220円47銭(△0.9%)
 90年   38712円88銭  ▼202円99銭(▼0.5%)

--共同取材:浅野 文重、吉川 淳子   Editor:Shintaro Inkyo

参考画面: 記事についての記者への問い合わせ先: 東京 院去 信太郎 Shintaro Inkyo +81-3-3201-8348 sinkyo@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net 東京 Nicolas Johnson +81-3-3201-8343 nicojohnson@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE