【TOPIX年間騰落率】上昇1位は木村化工機、下落1位はGウィル

TOPIX採用銘柄の2007年の騰落率ラ ンキングは、上昇1位が環境関連として注目された木村化工機、下落1位は法 令違反が相次いで発覚したグッドウィル・グループとなった。世界的な景気拡 大に伴う荷動きの活発化で海運株全般も買われ、家庭用ゲームが好調な任天堂 は2年連続で上昇率10位以内に入った。一方、6月の改正建築基準法の影響で 住宅着工が遅れるとの懸念から不動産関連の下げが目立った。

TOPIXは1475.68ポイントで終了し、年間騰落率は12.2%のマイナス となった。構成銘柄1728銘柄の騰落状況は、上昇315銘柄に対して下落が1391 と、4.4倍に達した。変わらずまたは比較できずは22。

海運市況が急騰-海運各社が上昇率上位に

上昇率10位以内に、乾汽船や第一中央汽船、太平洋海運といった中堅海運 株が3社入った。「欧米や中国を中心とした景気拡大に伴い海上物流が増えた」 (岡三証券の宮本好久アナリスト)ことから、需要増加に伴う業績期待が高ま った。ドライバルクと呼ばれるばら積み船の市況は予想以上に高騰し、これに 株価が連動する形で上昇した。ドライバルクの運賃市況であるバルチック海運 指数(バルチック・ドライ・インデックス)は6月中旬以降上昇傾向を強め、 11月13日に1万1039と過去最高を記録した。

宮本氏は海運株の先行きについて、「北米向けコンテナ輸送が伸び悩むと みられるうえ、住宅着工戸数の伸び悩みの影響も出始めそうだ」と語り、来年 は下落率ランキングに入る可能性があるとみていた。

環境をテーマに木村化が上昇率1位

上昇率1位の座を射止めた木村化工機は化学プラントや原子力関連機器を 手掛ける。原子力関連が市場テーマとなった夏場には12連騰を記録し、上場来 高値を付けた。地球温暖化によって環境保全意識が高まり、二酸化炭素(CO 2)削減に有効な原子力エネルギーが見直されている。

省エネルギーへの関心も高まり、欧州でエアコン販売が好調な富士通ゼネ ラルも環境関連銘柄として注目を集め、上昇率5位に。

「ニコニコ動画」が空前のヒット

携帯電話向けにインターネットコンテンツ(情報の内容)を提供するドワ ンゴが上昇率2位。優先的な快適視聴環境などが受けられる有料会員の増加が 見込まれるうえ、バナー広告やアフィリエイトによる収益力拡大期待が強い。 2007年3月に本格スタートした動画投稿の「ニコニコ動画」サイトは、2カ月 半で会員数100万人を達成、11月には400万人を突破した。

任天堂は新規ゲームユーザーを創出

任天堂は昨年の3位に続いて今年も上昇率6位と躍進を続けた。時価総額 は2.2倍の9兆4777億円に膨らみ、昨年末の第17位から3位に浮上した。「ペ ン入力というインターフェイスの劇的な変化によって、それまでゲームに縁が なかった比較的高齢の世代を新しいユーザーとして取り込んだ」(住信アセッ トマネジメント株式運用部・中谷方彦チーフファンドマネージャー)ことが評 価されている。住信アセットの「住信 次世代ファンド」では、21日時点で任天 堂は組み入れ比率第2位。

任天堂はこれまでハードに力を入れてきたが、「今後は利益率の高いゲー ムソフトの拡販で収益性を高めていく」(SMBCフレンド証券投資情報部の 中西文行グループマネジャー)といい、成長ペースが加速すると期待されてい る。

株式市場にも「偽」-下落1位はGウィル

株式市場でも「偽」というキーワードが駆け巡り、当該企業は売り叩かれ た。下落率1位のグッドウィル・グループは、訪問介護最大手のコムスン、派 遣大手のグッドウィルと、相次いで傘下企業の法令違反が発覚。介護事業から は撤退、厚生労働省はグッドウィルに対して業務停止命令を課す方針で、今期 (08年6月期)は7期ぶりの赤字に落ち込む見通し。

下落率6位の人材派遣会社フルキャストも、労働者派遣法で認められてい ない派遣行為が発覚。同3位のミサワホームも子会社ミサワホーム九州が不適 切な会計処理を行なっていたうえ、ミサワ九州が04年3月期に実質債務超過に 陥っていたことも明らかになった。受注も振るわず、今期(08年3月期)業績 が大きく落ち込む見通しであることも、株安に拍車をかけた。

改正建築基準法が不動産関連に打撃

フージャースコーポレーションが下落率7位、アーネストワンが9位と、 不動産関連株も下げが大きかった。6月に施行された改正建築基準法によって、 必要書類の増加や認可までの期間がこれまで以上に必要となったため、新設住 宅着工が落ち込み、受注低迷が懸念されている。

下落率2位のテイクアンドギヴ・ニーズは、5月に発表した中期経営3カ年 計画で大幅な人員増加と施設修繕費を投下すると表明したことが、ハウスウエ ディング事業の収益性が低下していると受け止められて急落。実際に受注が大 きく落ち込み、11月には今期(08年3月期)連結営業損益予想を赤字に変更。 見切り売りが膨らみ、上場来安値を更新した。

<TOPIX構成銘柄の年間上昇率ランキング>
順位   銘柄名(コード)              株価/変化率      時価総額
 1)木村化工機                       909円/211%      187億円
 2)ドワンゴ                      340000円/209%      691億円
 3)乾汽船                          1685円/159%      495億円
 4)フォスター電機                  3120円/130%      752億円
 5)富士通ゼネラル                   584円/122%      638億円
 6)任天堂                         66500円/115%  9兆4209億円
 7)第一中央汽船                     579円/101%     1525億円
 8)島精機製作所                    5210円/ 94%     1958億円
 9)太平洋海運                       284円/ 85%      156億円
10)三井松島産業                     252円/ 85%      265億円

<TOPIX構成銘柄の年間下落率ランキング>
順位   銘柄名(コード)              株価/変化率       時価総額
 1)グッドウィル・グループ         14440円/-86%      364億円
 2)テイクアンドギヴ・ニーズ       16000円/-83%      115億円
 3)ミサワホーム                     549円/-82%      212億円
 4)アーク                           339円/-81%      230億円
 5)NISグループ                   232円/-79%      338億円
 6)フルキャスト                   65700円/-77%      181億円
 7)フージャースコーポレーション   36150円/-76%      117億円
 8)ライトオン                      1186円/-75%      351億円
 9)アーネストワン                   458円/-75%      299億円
10)山水電気                           7円/-72%       95億円

-- Editor: Shintaro Inkyo 、 Makiko Asai

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