東京外為:円が上昇、年末控え買い戻し活発化-113円ちょうど付近

年内最後の東京外国為替市場では円が上昇。 対ドルでは1ドル=113円ちょうど付近と21日以来、1週間ぶりの水準まで円 高に振れている。年末を前に需給中心の相場展開となる中、対オーストラリア・ ドルなどでまとまった円買いが持ち込まれたことをきっかけに、円の買い戻し が強まった。また、米景気の先行き懸念や、パキスタン情勢の緊迫化による地 政学リスクの高まりを背景に、ドルの上値も重い。

円は対ユーロでも1ユーロ=165円台前半まで上昇し、前日の下げ幅を帳消 しにした。

年末前で需給主導

この日のドル・円は1ドル=113円台後半で早朝の取引を開始。東京市場は 年内最後の取引ということで、需給中心の展開が見込まれる中、午前10時の仲 値にかけては国内実需筋のドル買いが持ち込まれ、一時、114円01銭までドル が強含んだ。

買い一巡後は、ドルの上値が徐々に重くなったが、「米銀や日本の証券系か ら対オーストラリア・ドルなどで円買い」(中央三井信託銀行総合資金部・川辺 元調査役)が持ち込まれると、対ドルでも円が上昇。ドル・円は113円半ばを 割り込み、一時、113円30銭付近まで円が上昇。薄商いで値が飛びやすい中、 午後に入ってからも円はじりじりと値を切り上げ、午後2時半すぎには一時、 112円97銭(ブルームバーグ・データ参照、以下同じ)まで上値を伸ばした。

ユーロ・円も一時、1ユーロ=165円13銭まで円が上昇。前日の海外市場 では166円67銭と11月7日以来の水準まで円安が進んでいた。

一方、朝方発表された日本の11月の全国消費者物価指数(CPI)は生鮮 食品を除いたコア指数が前年同月比0.4%上昇となるなど、前月から伸びが加速 した。ただ、「最近、日銀が景気判断を下方修正したばかりで、CPIの結果が すぐに利上げに結び付くということはないため、相場への影響は軽微となった」 (三菱UFJ信託銀行資金為替部・井上英明グループマネージャー)。

ドル軟調のまま年越えへ

27日に発表した11月の米製造業耐久財受注額は前月比0.1%増と4カ月ぶ りにプラスとなったが、予想(同2.0%増)を下回る伸びとなり、住宅リセッシ ョンが経済の他の部分にも波及しつつある可能性が示唆された。

米景気の先行き懸念に加え、パキスタンのブット元首相が自爆テロの攻撃 を受けて死亡したことも嫌気され、27日の海外市場ではドル売りが活発化し、 対ユーロでは一時、1ユーロ=1.4639ドル(ブルームバーグ・データ参照、以 下同じ)と今月14日以来のドル下落。この日の東京市場でも1.46ドルちょう ど前後とドル安値圏での推移が続いている。

ソシエテ・ジェネラル銀行外国為替営業部長の斉藤裕司氏は、「きのうぐら いから少しファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)に素直に反応する動き になっていたところへ、親米国であるパキスタンがテロの危機で政治的混迷と 地政学リスクをはらむということになれば、ドルが売られる局面になりやすい」 と指摘する。

米国ではこの日、11月の米新築一戸建て住宅販売や12月のシカゴ購買部協 会景気指数が発表される。また、日本の正月休み明けとなる1月4日には米雇 用統計の発表が予定されてほか、米金融機関の決算も発表される。

三菱UFJ信託銀の井上氏は、年明けの相場について「基本的には年末の トレンドをフォローするということで、ドル安の方向の可能性がある」とした 上で、米雇用統計の結果によって「1月の方向性がある程度決まってくる」と みている。

ドルは年初から対ユーロや対オーストラリア・ドルで10.7%下落。対カナ ダ・ドルでは18.5%下落している。一方、対円では5%程度の下落にとどまっ ている。

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