日中首相:東シナ海ガス田問題、「早期決着へ断固たる決意」共有(4)

中国を訪問中の福田康夫首相は28日午前 (日本時間同)、北京の人民大会堂で温家宝首相と約2時間半にわたって会談し た。共同会見した両首脳によると、両国の戦略的互恵関係を発展させていくこと で一致、懸案となっている東シナ海のガス田問題については、「早期決着への断 固たる決意」を共有し、協議を前向きに継続していくことで合意した。

会談の冒頭、温首相は「いまや両国関係はさらに改善し発展していく重要な 時期に入っている。福田首相が日中関係は春を迎えたと言ったことに強く同感を 覚えている」と述べ、関係強化していく考えを示した。

これに対し福田首相は、「日中両国は大きなチャンスと責任に直面している。 世界の大局を見据えて、アジアと世界の未来の創造に共に協力していきたい」と 応じた。

この後、両首相は日中首脳クラスとしては異例の共同記者会見に臨み、福田 首相は「戦略的互恵関係で日中の両国の信頼と理解を再確認する会談だった」と 評価、「来年を日中関係飛躍の年にしたい」と述べた。

これに対して温首相は「来年春の胡錦濤国家主席の訪日で合意した。環境保 護、エネルギー関係で協力していくことで一致した」と語った。東シナ海ガス田 開発では「双方とも共同開発への意欲がある」と訴えた。

会談で、両首相は「日中環境基金」の創設を検討していくことでも一致。福 田首相は地球温暖化問題に関し、2013年以降の「ポスト京都議定書」の枠組み には中国を含むすべての主要な排出国が参加する必要があるとの認識を改めて示 したもようだ。

このほか、両首相は北朝鮮の核開発問題についても協議。6カ国協議の共同 声明に盛り込まれた北朝鮮による核兵器や核計画の放棄を完全実施し、北東アジ アの持続的な平和と安定を実現するよう緊密に協力していくことで一致したとみ られる。

東シナ海のガス田をめぐる協議は、日本側が境界線と主張している日中中間 線付近を共同開発の対象領域に含めるかどうかなどで日中間の意見調整が続いて いる。福田首相は訪中に出発する前の27日午後、首相官邸で記者団に対し、 「なるべく早く問題が解決するのがいいのではないか。相手があることだから、 話し合えば合意ができる」と語り、何らかの形での早期の合意に意欲を示してい る。

年4000人規模の青少年交流を実現へ

会談後、日中両政府は、「戦略的互恵関係」の具体化に向けた取り組みの一 環として、気候変動問題を対象とした科学技術協力を強化するための共同声明や、 08年の「日中青少年友好交流年」の具体的な活動に関する覚書・協力計画を発表 した。

青少年交流では、08年から4年間、高校生、大学生から行政、経済の分野 で年4000人規模の相互招へいを実現するよう努力していくことを明記。中国人 民解放軍青年将校と自衛隊若手幹部との相互訪問などを行うことになった。

このほか、磁気核融合関連研究分野での文部科学省と中国科学技術部との協 力に関する実施取り決めも公表した。

福田首相は午後には北京大学で日中関係をテーマにした講演を行った後、胡 錦濤国家主席と首相就任後初めて会談する。

--共同取材:山村敬一 Editor:Tetsuzo Ushiroyama,Yoshito Okubo

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 北京 廣川高史 Takashi Hirokawa +81-3-3201-8641 thirokawa@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net 香港 Anthony Spaeth +85-2-2977-6620 aspaeth@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE