2008年の米国債、利回りは反転上昇か-リセッションリスク後退で

来年の米国債市場では、米経済がリセ ッション(景気後退)を回避し、利回りが上昇する公算がある。今年の米国債 利回りは2002年以来で最大の低下を示した。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査では、2008年末 の米10年債利回りが28ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し

4.48%となるとの予想(67人の中央値)が示された。27日の10年債利回り は昨年末比で約50bp低下し約4.20%。

来年は米国のサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン関連の損 失に歯止めがかかり、株式や高利回り資産への投資意欲が回復するとエコノミ ストは予想する。利下げが米経済成長を持続させるとの期待も米国債相場下落 予想の背景にある。年初来の米国債投資リターンはサブプライム問題を発端と した質への逃避で7.64%と、02年以来で最高となっている(メリルリンチ調 べ)。

スタイフェル・ニコラウスの債券ストラテジスト、ジム・デマシ氏は「年 央までには、多くの問題が解決しないまでも最悪期を過ぎているだろう」とし て、「米金融当局は金利を据え置き、7-12月(下期)には成長加速の兆候 が見え始め、利回りが上昇し始めるだろう」と予想した。

デマシ氏は、08年末に10年債利回りは5%となり、2年債は3.75%と現 在の3.21%から上昇すると見込んでいる。ブルームバーグの調査に答えたエ コノミストの2年債利回り予想は3.76%。

来年のリターン

アナリスト予想に基づくと、10年債の08年投資リターンは2.19%、2 年債は2.69%と、インフレ率とほとんど変わらない水準となる。今月3-10 日にかけて実施した調査による08年のインフレ率予想は2.7%(61人の中央 値)だった。

2年債利回りは住宅ローン焦げ付き問題が悪化するなかで6月以来、約2 ポイント低下した。米連邦公開市場委員会(FOMC)は9月以来合計1ポイ ントの利下げでフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を4.25%とした。 金融機関はサブプライム関連で970億ドル(約11兆600億円)超の評価損 を公表している。

ドイツ銀行は、債務担保証券(CDO)やストラクチャード・インベスト メント・ビークル(SIV)を含め、サブプライム関連の損失が最終的に 3000億ドルに達する可能性があるとみている。INGグループの主任国際エ コノミスト、ロブ・カーネル氏は、これらの損失額が明らかになり市場に信頼 が戻り始めれば、債券利回りは「少しずつ上昇し始めるだろう」と予想する。 同氏の08年末の予想は2年債利回り3.85%、10年債が4.5%。

信用市場の混乱を受けて米国債が買われ、年初来の2年債投資リターンは

6.95%と01年以来の高水準。10年債は約7.49%で02年以来最大となって いる(メリルのデータ)。

これに対し、投資適格級社債は3.04%、ジャンク(高リスク・高利回 り)債は1.83%だった。

追加利下げの可能性

金利先物の動向は08年1月のFOMCでの0.25ポイント利下げ確率を 76%織り込んでいる。3月の追加利下げでFF金利誘導目標が3.75%となる 確率は44%とみられている。

ドイチェ・バンク・セキュリティーズの米国担当チーフエコノミスト、ジ ョゼフ・ラボーニャ氏は「米住宅市場がまだ底を打っていないことから、

3.75%以下への利下げはあり得ないことではない」とみる。同氏はそれでも、 08年末の10年債利回りを4.5%と予想。「金融市場にかかる負荷がピークを 過ぎ、米金融当局がもっと景気に集中できるようになることを期待している」 として、「その期待に照らすと、今の10年債は割高だ」と述べた。

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