【チャートで診る】日本株の年足は5年ぶり陰線、08年の新たな起点に

チャート上のローソク足で1年間の動き を表す年足で、2007年は日経平均株価とTOPIXがともに年初を年末が下回 る形の「陰線」となった。陰線となるのは02年以来5年ぶりで、バブル崩壊 後安値である03年春以降の上昇波動をいったん終了した格好となった。チャ ーチストからは、今年の調整は08年からの新たな上昇波動に向けての起点に なりそうだとの見方も出ている。

年足チャートでは、大発会の終値と大納会の終値を比較し、年間の陽線 (上昇)・陰線(下落)を計る。今年の大発会(1月4日)終値は日経平均1 万7353円67銭、TOPIXが1698.95。きょうの終値は日経平均が1万5307 円78銭、TOPIXは1475.68ポイントのため、両指数とも年間での陰線が 確定した。年足は日足や週足に比べ、より長期間のトレンドを示す。期間が長 いことから実際の売買タイミングを計る際には適さないものの、大きな流れを あらためて確認する際には有効とされる。

07年の高値(取引時間)は2月(日経平均1万8300円、TOPIX1823 ポイント)で、安値は11月(日経平均1万4669円、TOPIX1417ポイン ト)。サブプライム住宅ローン問題による米国経済への懸念などから、3月、 8月、11月と3度の大きな調整があった。昨年と今年の大納会の終値を比較し た年間騰落率では、日経平均は11%下落、TOPIXは12%の下落だった。

最初のサイクルが終了

年足陰線は、バブル経済に向かう1980年代は1度もなかったが、バブル 崩壊によるデフレ不況の90年代に入ると逆に陰線が恒常化。その流れは2000 年から02年までの3年連続陰線まで継続した。しかし、景気が02年に底入れ した後の03年から06年は4年連続の陽線となっていた。野村証券金融経済研 究所の山内正一郎テクニカルアナリストは、「07年の陰線は、03年から始ま った最初の上昇波動がいったん終了したことを確認するサイン」と指摘する。

山内氏によると、「3段上げ2段下げ」のチャートサイクルにおいて、03 -06年の4年間の上げが1段目の上げだとすると、今年の陰線は1段目の上げ に対する調整期間にほぼ相当する。4年間の上げに対する調整期間として1年 程度は必要だとする山内氏は、来年1-3月まで底固めが続くだろうと読む。

戦後の取引が再開した1949年以降の日経平均の年足状況を見ると、年足 の陰線が出現した場合、80年までは1年で終えたのが5回、2年連続となった のが3回(49-50年、62-63年、73-74年)。これに対し90年以降は、陰線 出現後は3年連続(90-92年、96-98年、2000-02年)となる傾向があった。

90年代以降に年足が継続しやすい傾向があるのは、「60年サイクルや20 年サイクルなど景気の長期循環が下降局面にある中、弱気が支配的だった時代 にのみ通用した経験則」(日興シティグループ証券の吉野豊テクニカルアナリ スト)。このため、強気相場入りした03年以降は、弱気相場だった90年代と は波動の方向性が逆になったことで、年足陰線の出現は連続陰線の始まりでは なく、次の上昇に入る前の移行期間との見方が優勢となっている。

08年は高値1万8000円強も

「3段上げ2段下げ」の中では、通常2段目の上げは3段のうちで最も力 強い動きをしやすいとされる。1段目の上昇においては、期間が4年、日経平 均の上昇幅は1万円強だった。2段目の上昇はどちらも上回るスケールになる ことで、「上昇期間は2012-2013年程度まで、日経平均は2万円台後半がタ ーゲットになる」と野村証の山内氏は予想。その2段目の上昇相場の最初の年 に当たる08年は、日経平均1万8000円から1万9000円が見込まれるとする。

また、エフ・エリオットの藤原尚之代表取締役は、11月安値からの足元の 上昇基調は上昇5波目かb波のリバウンドかのいずれかだと主張。5波目の場 合は日経平均が今年2月高値を上回り、b波のリバウンドの場合は2月高値直 前で失速するだろうと解説。「いずれのケースにおいても、来年夏までに日経 平均は最低1万8000円まで上昇する可能性が高い」(藤原氏)と予測する。

有望業種は銀行や建設など

一方、業種別では08年も明暗が分かれそう。07年は東証1部業種別33指 数で、年足陰線となったのは陰線幅の大きい順にその他金融、銀行、ゴム製品、 建設、金属製品、水産・農林、不動産、倉庫・運輸関連、輸送用機器、電気・ ガスなど27業種だった。反対に年足陽線となったのは、陽線幅の大きい順に その他製品、鉱業、海運、卸売、空運、精密機器の6業種にとどまった。

日興コーディアル証券国際市場分析部の佐々木英信チーフアナリストは 「日本株は03年から07年7月まで3段上げを演じた後に調整している。同様 に3段上げを行った業種は相場に疲れが出ている」と分析。既に3段上げを終 了して来年半ばまで調整期間が予想される業種として、不動産、海運、輸送用 機器、保険、石油・石炭製品、陸運、商社を挙げる。

半面、相場が2段上げ後に調整に入っている業種は08年に最も有望だと し、銀行、建設、繊維、医薬品、証券、電気・ガス、小売などがあるという。 これら業種が買われた後には、2段上げを終えた状態にある鉄鋼や造船なども 物色されるだろうと見ていた。

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