11月の有効求人倍率は1倍割れ、失業率は改善-消費支出は減少(3)

11月の有効求人倍率は2年ぶりに求人数が 求職者数を下回り、1倍を割り込んだ。新規求人数の減少幅が拡大しており、同 倍率は4カ月連続の低下。完全失業率は前月比改善し、3カ月ぶりに3%台とな った。一方、一世帯当たりの実質消費支出は、自動車購入のマイナス幅が大きく、 4カ月ぶりに減少に転じた。

厚生労働省が28日発表した有効求人倍率(1人当たりの求人の割合、季節 調整値)は0.99倍となり、前月を0.03ポイント下回った。1倍を下回るのは 2005年11月以来。エコノミストの事前予測値は1.02倍で、予想を大幅に下回る 結果となった。正社員の有効求人倍率は0.63倍(前月0.62倍)だった。

モルガン・スタンレー証券の佐藤健裕チーフエコノミストは発表前に、「厚 労省からの求人内容の監視強化の通達が当面の新規求人数を下押しする一因とな る」とする一方で、「労働需要の低下を反映している可能性について直視すべき 局面にある。景気の変調を示唆している可能性もある」とみていた。

完全失業率は4月から5カ月連続で3%台にとどまり、有効求人倍率も安定 的に1倍以上を維持するなど堅調だったが、米サブプライム(信用力の低い個人 向け)住宅ローン問題による米国の景気後退や原油高騰、国内の住宅着工件数の 急減などの懸念要因を引き金に雇用情勢は厳しさを増しつつある。

女性の雇用が増加

総務省が同日発表した労働力調査によると、完全失業率(季節調整済み)は

3.8%と前月に比べ0.2ポイント改善した。男女別でみると、男性は3.9%と前月 比0.1ポイントの低下。女性は3.6%と同0.3ポイントの低下だった。なかでも、 女性の35-44歳の失業者数が4カ月ぶりに減少したことが全体の改善につなが った。ブルームバーグ・ニュースの事前調査では、38人の民間エコノミストが

4.0%(中央予想値)を予測していた。

同省では、7月以降3.8-4%台で推移していることから、改善のペースが やや足踏みしているとみており、今後の動きを注視したいとしている。

就業者数は6433万人と3カ月ぶりに増加。前年同月に比べて23万人増えた。 完全失業者は246万人で24カ月連続の減少となっており、同13万人の減少。 「勤め先都合」を求職の理由に挙げた完全失業者は59万人で前年同月と同数。 「自己都合」は94万人と9万人減少した。

第一生命経済研究所の棚山順子副主任エコノミストは発表前に、「原材料価 格高騰や内需の低迷に伴う中小企業、特に非製造業の収益環境悪化が雇用増加ペ ースを抑制してきた」と指摘。先行きについては、日銀短観で企業の人手不足感 が強く示されていることから雇用者の増加は続くとしながらも、「非製造業の動 向が雇用環境改善の重石となり、鈍化する可能性がある」とみていた。

自動車購入の寄与度が大幅マイナス

一方で、同省が同日発表した家計調査によると、消費支出は28万2836円で、 前年同月比では実質0.6%減となった。前月比(季節調整済み)では実質1.0% の低下。民間エコノミスト34人を対象にしたブルームバーグ調査の予想中央値 は前年比0.5%増だった。

消費支出がマイナスに転じた主な要因は自動車購入の減少で、寄与度が

1.56%減と大きく足を引っ張った。自動車購入や住居などを除いた消費支出は前 年同月比で実質1.0%、前月比(季節調整済み)では実質1.4%といずれも増加 していることから、同省では消費は上向きで堅調との認識を示している。

第一生命経済研究所の長谷山則昭副主任エコノミストは発表前に、「月後半 の気温の低下から冬物商材に動きが見られたが、ガソリン、灯油、食料品の価格 上昇が家計の負担増となっており、消費マインドが大幅に悪化した」としたうえ で、前月比では小幅ながらマイナスになると予想していた。

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