短期市場:翌日物0.50%割れ、日銀が潤沢供給-年末資金手当て(3)

年内最終営業日を迎えた短期金融市場の 無担保コール翌日物は誘導目標0.50%を割り込み、午後は0.15-0.30%付近ま で低下している。証券会社の年越えの調達圧力が警戒されたが、金利上昇は予 想外に限定的。米欧中央銀行が年越えの流動性供給を実施するなか、日本銀行 も潤沢な資金供給で金利上昇を完全に押さえ込んだ。

翌日物(12月28日-1月4日)は、朝方0.65%を付けたが、国内大手行 は0.58%から調達開始。外国銀行が0.60%から0.58%に取り下がる過程で取 引が膨らんだ。金利が低下方向のなか、日銀の供給通知を受けて0.50%を割り 込み、午後は0.45%前後から0.30%、0.25%、0.15%と段階的に低下した。

三菱東京UFJ銀行円貨資金証券部の小倉毅円資金デスクチーフは、「こ こまで落ち着いた展開は日銀も予想外だったろうが、朝方にレポの調達圧力が あったのは事実で、需給が緩むのも覚悟で供給してきた様子だ」という。

8000億円の供給-欧米中銀の流動性供給

日銀は午前、本店共通担保オペ8000億円(28日-1月4日)を実施した。 即日の供給規模としては9月期末(1兆円)以来。準備預金(除くゆうちょ 銀)は1兆8000億円増の6兆8000億円と、銀行がこの日に積まなければなら ない所要額(4兆6500億円)を大幅に上回る。余剰資金を抱えて年末を越える と積みが進ちょくし過ぎる水準で、金利の急低下につながっている。

注目された年末のレポ(現金担保付債券貸借)は朝方の0.73%から0.5% 台に低下して資金手当てを終了。みずほ証券債券トレーディング部のトレーダ ーは、8000億円の資金供給はかなり堅めの調節だったという。インターバンク の市場関係者は、欧米との協調とまでは言わないが、日銀は金利上昇を認めな い姿勢だったとみる。

今年はサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題による市場 混乱で、欧米中央銀行は年越えで大量の流動性供給を実施しており、日本でも 年末の取引が荒れないよう、日銀は金利上昇を積極的に抑えてくるとの見方は あった。金利が上振れすれば、日銀補完貸付(0.75%)の利用増加も予想され ていた。

8月以降の流動性不安で、欧米銀行が年末の資金手当てを早めに進めたこ ともあり、この日の翌日物は予想外に落ち着いていた。証券会社のレポ取引に 資金を放出し、コールで手当てする大手行も見られた。

オペの最低落札金利は0.51%、平均金利は0.539%で、応札額は1兆310 億円。オペの入札結果がレポ取引の収束を決定付けた。

金先堅調-TIBOR低下続く

ユーロ円金利先物相場は堅調(金利は低下)。米景気懸念やテロ懸念で大 納会の日経平均株価が大幅安となり、債券先物に買い戻しが強まった影響を受 けて年明けのユーロ円TIBOR(東京銀行間貸出金利)の低下が続いた影響 もあった。

中心限月2008年6月物は前日比0.005ポイント安い99.280で取引を始め たが、午前は99.295まで買い戻し。午後は99.300と1週間ぶりの高値を付け ている。LIBOR(ロンドン銀行間貸出金利)やTIBORの低下を受け、 期近08年3月物も0.010ポイント高の99.255(0.745%)をつけた。

この日のTIBOR3カ月物は0.00364ポイント低下の0.85091%と、約 1カ月ぶりの低水準。名実ともに年明けの取引になれば一段と低下するとみら れている。ただ、大手銀行のトレーダーは、3カ月物は3月決算期末越えでも あり、先物金利がTIBORにサヤ寄せさせられてくるとみていた。

CPIプラス拡大も反応薄

この日発表された11月の消費者物価指数(生鮮食品を除く=コアCPI) は前年比0.4%上昇と、ブルームバーグ調査の予想中央値(同0.3%上昇)を上 回る上昇幅の拡大となったが、相場の反応は限られた。市場では、来年は

0.6%ぐらいまで上昇すると予想するが、景況感が改善していなければ、利上げ に結びつく材料にはならず、むしろ原油高で消費を抑える要因だという。

11月の有効求人倍率が0.99倍と、2005年11月以来の1倍割れ。消費支出 は前年同月比0.6%減少した。鉱工業生産は前月比1.6%減少と、ほぼ予想通り だった。大手行のトレーダーは、住宅市場の調整が建築基準法の影響だけなの かどうかによって日銀のシナリオも変わってくるという。

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