パキスタンのブット氏暗殺、暴動は全土に拡大-米国は選挙遂行要請

パキスタンのブット元首相(54)は27 日、同国のラワルピンディで選挙運動中に暗殺された。

警察によると、爆発と銃撃により少なくとも16人が死亡、60人以上が負 傷した。ブット元首相は2カ月前に事実上の亡命生活から帰国した直後にも爆 弾テロの標的となったが、その際は無事だった。

ブット氏が搬送され、死亡が確認された病院周辺に支持者が集まり、暴動 が発生。パキスタン全土に拡大した。GEOテレビによると、病院から空軍基 地に移送されたブット氏の遺体には数百人の支持者が同行。パキスタン人民党 (PPP)の旗が振られ、「ブット万歳」が叫ばれた。

シャリフ元首相は「現在の情勢やムシャラフ政権の下では選挙運動も自由 な選挙も不可能だ」とし、自ら率いる野党パキスタン・イスラム教徒連盟は来 月の総選挙をボイコットすると表明。ムシャラフ大統領の辞任を要求した。

ムシャラフ大統領は国営テレビを通じ、国民に冷静な対応を呼びかけた。 同大統領はブット氏の帰国を認め、来年1月8日に予定されている議会選挙へ の出馬を容認。米国はブット氏とムシャラフ大統領の合意を支持していた。

米・パキスタン首脳会談

ブッシュ米大統領はワシントン時間午後1時15分、ムシャラフ大統領と 電話会談した。これに先立ち、ブッシュ大統領はブット元首相が暗殺されたこ とについて「残忍な過激主義者」による「卑劣な行為だ」と非難していた。

大統領は「米国はこの卑劣な行為を強く非難する」との声明を発表。「ブ ット氏は首相としてパキスタンに奉仕し、今年の帰国の際には自らの生命が危 険にさらされていることを認識していた」と述べた。

米政府はムシャラフ大統領に総選挙実施の方針を維持するよう要請。米国 務省のトム・ケーシー報道官によると、米政府はムシャラフ大統領に非常事態 宣言を再び発令しないよう求めた。

ブット氏暗殺により、文民の指導者層で政治的な空白が深まり、軍とイス ラム教過激派が恩恵を受ける格好となっている。

深刻な問題

英外交問題のシンクタンク、チャサム・ハウスのパキスタン専門アナリス ト、ファーザナ・シャイク氏はフランスから電話インタビューに答え、「ブッ ト氏暗殺はパキスタンの安定にとって長期的に非常に深刻な問題になろう」と 語った。

ムシャラフ大統領は同国が3日間、喪に服することを宣言。「ブット氏の 栄誉を称え、半旗を掲げる。テロリストがパキスタンにとって最大の脅威であ り、テロリズムに対して勝利するまで休むことはない」と述べた。

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