東京外為:ドルが小動き、信用不安緩和で114円台維持―取引は低調

午前の東京外国為替市場ではドル・円相場 が1ドル=114円台前半で小動き。米国の住宅市場の低迷や個人消費の減速など 米景気の先行き不安は根強いものの、サブプライム(信用力の低い個人向け) 住宅ローン問題に端を発した信用収縮不安はとりあえず緩和しており、年末前 で低調な商いの中、ドルは11月上旬以来の高値圏を維持した。

野村証券金融市場部の高松弘一エグゼクティブマネージャーは、「きのう も米金融機関の損失拡大の話が出ていたが、政府系ファンドによる救済の話が 断続的に出ており、そういう意味ではマーケットのパニック感は収まっている」 と指摘。ただ、中央銀行による資金供給も含め「最終的な救済につながるかは 分からない」といい、「個人的にはサブプライム問題でまだひと波乱、ふた波 乱あり得る」とみている。

もみ合い相場が継続

ドル・円は先週末に11月7日以来、約1カ月ぶりに114円台を回復して以 降、114円前半を中心にレンジ相場が続いている。この日も114円34銭付近で 早朝の取引を開始した後は114円30銭を挟んでもみ合う格好となり、午前の値 幅は114円21銭から114円37銭とわずか16銭にとどまった。

ユーロ・円も前日の海外市場で1ユーロ=165円72銭と11月9日以来の水 準までユーロ高が進んだが、東京市場に入ってからは165円半ばから前半で動 意に乏しい展開となっている。

みずほ信託銀行資金証券部の金子和広調査役は、「クロス円(ドル以外の 通貨の対円相場)がしっかりしており、その部分でドル・円は下支えられるが、 114円台半ば以上には輸出企業の売りもあるという話なので、上値も限られる」 と指摘。その上で、114円台前半でのもみ合い相場が続く中、「欧州勢が戻って くるきょう以降、もう一段上を試すのか、下値トライを仕掛けるのか、海外勢 の動向を見極めたい」としている。

ユーロ・ドルも1ユーロ=1.44ドル台後半でもみ合っており、前日の海外 市場で付けた今月14日以来のユーロ高値、1.4505ドルからはやや水準を切り下 げている。

住宅価格低迷も、信用不安緩和で安心感

26日に発表された10月の米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)/ ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比6.1%低下と、2001年に前年比での 指数算出を開始して以来で最大の落ち込みとなった。ただ、住宅価格の下落は 「市場に相当織り込まれている」(三菱東京UFJ銀行市場業務部・佐原満上 席調査役)といい、新たなドル売り材料とはなっていない。

一方、CIBCワールド・マーケッツのアナリスト、メレディス・ホイッ トニー氏は26日、米証券大手メリルリンチが10-12月(第4四半期)に住宅 ローン関連で最大70億ドル(約8000億円)の損失を計上する可能性があると の見方を示した。同氏はこれまで、メリルの評価損を60億ドルと予想していた。

メリルは24日にシンガポール政府系投資会社のテマセク・ホールディング スと米投資顧問会社デービス・セレクテッド・アドバイザーズから合計62億ド ルの資金を受け入れると発表。これに先立ち、シティグループとモルガン・ス タンレー、UBSも政府系投資ファンド(ソブリン・ウエルス・ファンド、S WF)の出資受け入れを明らかにしている。

三菱東京UFJ銀の佐原氏は、各国中銀による協調資金供給や米系金融機 関を中心とした政府系投資ファンドからの出資受け入れで、一定の安心感が出 ていると説明。「信用収縮不安が落ち着くという流れは来年にかけても継続さ れていく」とみており、年明け以降もドルは対円で堅調に推移する可能性が高 いと指摘している。

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