海外旅行敬遠響く、近ツリ株は業績減額で反落-原油高騰や円安(2)

大手旅行会社の近畿日本ツーリストの株価 が反落。前日比10円(4.9%)安の196円まで下げ幅を広げた。原油高による燃 料サーチャージ(燃料費上昇分の上乗せ)負担や、為替相場の対ユーロでの円安 基調に伴う欧州方面旅行の現地費用負担増などが嫌気され、海外旅行者が低迷し ている。これを受けて今期(2007年12月期)と来期(2008年12月期)の業績 予想を下方修正しており、業績環境の厳しさを警戒した売りを浴びた。

近ツリストは26日に、07年12月期の連結営業利益を前期比82%減の2億 5000万円(従来予想は7億円)に大幅減額した。原油価格の高止まりで燃料サ ーチャージが上昇し渡航費用が増加しているほか、対ユーロなどで円安基調の時 期が長かったことから、欧州方面などの遠距離を中心に海外旅行パッケージ商品 の販売が計画を下回る。国内旅行については、ツアー商品は順調に推移するが、 旅行クーポン券が振るわないという。

また、同社は今期業績予想の下方修正と同時に、08年12月期を最終年度と する中期経営計画も見直し、同期の連結営業利益目標を72億円から12億円に引 き下げた。

総務・広報部の佐藤栄子広報部長は、「サーチャージ負担の増加と円安・ユ ーロ高により、海外旅行者需要の鈍化が来期も続くとの前提に立って中計を見直 した」と話している。また来年度は、子会社を含めたグループの再編を推し進め るといい、「戦略的な先行投資としてシステム開発や人件費などもかさむ予定」 (同氏)という。

07年の海外旅行は前年割れ-JTB調査

国内最大手の旅行会社であるJTBは26日、07年と08年の旅行動向見通 し調査を発表した。同調査によると、07年の海外旅行者数は前年比1.1%減の 1733万人となるもよう。前年実績を割り込むのは、イラク戦争が起こり、重症 急性呼吸器症候群(SARS)も流行した03年以来、4年ぶり。JTBでは、 昨年来のサーチャージ高止まり、円安傾向の影響のほか、若年層の海外旅行離れ も減少要因に挙げている。

また同調査では、08年の海外旅行者数は07年実績見込みに比べ0.1%増の 1735万人と、ほぼ横ばいを見込む。北京オリンピックの開催で、今年伸び悩ん だ中国旅行の人気が復活する公算にあるほか、バリ島などアジアンビーチ、カジ ノやホテルが林立するマカオなどを中心にアジア方面の旅行は引き続き堅調に推 移すると見ているが、航空運賃の上昇などで欧州やオセアニアといった遠距離旅 行の不振は続く見通しとしている。

上場している旅行会社のこの日午前10時45分時点での株価は、エイチ・ア イ・エスが1.7%安の2020円、ニッコウトラベルは2%高の413円、ユーラシ ア旅行社はまだ売買が成立しておらず、まちまちの値動き。

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