転換社債の発行額:今年は過去最高を記録-株式相場の変動拡大が寄与

今年は転換社債(CB)の発行額が過去最 高を記録した。株式相場の変動幅が拡大したのを受け、株式に転換可能なこと が人気を集めた。

米シティグループからノルウェーの水産会社コッドファーマーズに至るま で世界の800社を超える企業がCB発行で少なくとも計1800億ドル(約20兆 5780億円)を調達。調達額は昨年に比べ44%増えた(ブルームバーグの集計デ ータ)。投資リターンの平均も8%と、米S&P500種株価指数(2.95%)、世界 の社債の平均(2.5%)をともに上回っている(リーマン・ブラザーズ・ホール ディングスとメリルリンチの集計データ)。

サブプライムローン(信用力の低い個人向けの住宅融資)禍の影響で企業 の借り入れコストが5年ぶりの高水準に達したことも、CBの発行額増加に寄 与。バークレイズ・キャピタルのアナリストらによると、米企業は今年、通常 の社債ではなくCBを発行することにより、資金調達金利を年間平均2.6ポイ ント引き下げることができた。

JPモルガン・チェースの国際資本市場担当責任者ビスワス・ラグハバン 氏(ロンドン在勤)はCB市場について、好調のキーワードは「不確実性、神 経質そして相場の大幅な変動」だと指摘。「現在、最も熱い市場だ」と語った。

ブルームバーグの集計データによると、JPモルガンは今年、転換社債販 売のアレンジャーとして約5億4900万ドルを稼いだ。米国での手数料は平均で

2.16%だった。今年後半の欧米の社債販売額は前年同期に比べ全体で20%減少 したが、そのうち転換社債は同25%増加した。

今年は政府系投資ファンド(ソブリン・ウエルス・ファンド)向けのCB 発行が、1件当たりの発行額が最も大きい案件となっている。米銀最大手シテ ィグループは先月、同社株の最大4.9%に転換可能なCBを発行し、アブダビ投 資庁(ADIA)から75億ドルの出資を受けると発表。資産ベースで欧州最大 の銀行、UBSも今月、シンガポール政府投資公社(GIC)と中東の投資家 に対し、自社株の9%に転換可能な計115億ドル相当のCBを発行することで 合意した。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE