日本株(終了)高値引け、米商戦底堅く輸出など高い-売買は今年最低

受け渡しベースで実質1月相場入りとな った東京株式相場は、日経平均株価とTOPIXがともに4日続伸して高値引 け。米国の年末商戦が予想されたほど悪くないとして、電機や自動車などの輸 出関連株中心に上昇。環境規制強化の恩恵を受けるとされたダイキン工業が買 われるなど機械株も高い。売買代金首位の新日本製鉄が前日比2%高となるな ど、鉄鋼株は東証業種別33指数の上昇率でトップとなった。

農林中金全共連アセットマネジメント運用部の中村一也次長は、「米国消 費はこれまで悲観論一色だった」と前置きした上で、「クリスマス商戦が思っ たほど悪くないとの見方から、多少揺り戻しが出ている」と指摘した。

日経平均株価の終値は前日比100円95銭(0.7%)高の1万5653円54銭、 TOPIXは12.44ポイント(0.8%)高の1508.47。東証1部の売買高は概 算で13億8987万株と今年2番目の薄商い。売買代金は1兆4411億円で、25 日を下回り、1日立ち会いで今年最低を更新した。値上がり銘柄数は1426、 値下がり銘柄数は228。

東証業種別33指数の騰落状況は、値上がり業種が30、値下がり業種が3。 電気機器、輸送用機器、銀行、機械、鉄鋼が高い。半面、陸運、食料品、電 気・ガスが安い。

TOPIXは1500ポイント回復

25日の海外市場が休場で手掛かり材料に乏しい中、実質新年相場入りと なった東京市場はじり高の展開となった。米クリスマス商戦の底堅さを示すデ ータが示される中、トヨタ自動車の2008年度生産計画が新興国需要を取り込 んで拡大する見通しだったことなども、安心感を誘った。日経平均終値は2週 間ぶりの高値で、TOPIXも14日以来の1500ポイント台回復。

もっとも市場では、きょうの上昇について需給要因を指摘する声が多かっ た。東証1部の売買代金で直近48%(12月第2週)を占める外国人投資家の 多くが年末休暇入りし、25日の休場も加わって海外からの注文状況は極端に 低下している。12月2週で4755億円を売り越して最大の売り越し主体となっ た外国人の注文が細ったことで、「大きな売り圧迫が出ていない」(リテラ・ クレア証券の井原翼理事・情報部長)という。このため、「需給要因が大きい ことから、今週の上げは今後のトレンドを決定するものではない」(農林中金 アセットの中村氏)との見方があった。

輸出関連高い

業種で上げをリードしたのは輸出関連株。中でも2008年度のグローバル 生産台数が07年見込みに比べて5%増の985万台を計画するトヨタ自動車は 3日続伸し、キヤノンや日立製作所なども高い。東洋証券の児玉克彦シニア・ ストラテジストは「米クリスマス商戦の好調で、26日の米国株市場は上昇す る可能性がある」と述べている。

米2位のクレジットカード会社マスターカードのコンサルティング部門マ スターカード・アドバイザーズは25日、今年の米年末商戦(11月23日-12 月24日)の売上高が昨年に比べ3.6%増加(06年は同6.6%増)したと発表 した。けん引役はインターネット通販で、ネット売上高は同22%増となった。

またトヨタについて、三井住友アセットマネジメント国内株式アクティブ グループの生永正則ヘッドは、「利益率が高い中国やロシアの市場規模が予想 より拡大傾向にあり、再び成長期待が高まっている」と話した。午前に発表さ れたトヨタの11月の世界生産は8カ月連続プラスで、前年比9.2%増だった。

このほか、ドル・円相場が1ドル=114円台前半で落ち着いた動きとなっ ていることも支援要素。大和総研の飯田尚宏クオンツアナリストは、サブプラ イム問題に端を発した急激な円高が一巡しているとした上で、「海外売上高比 率の高い企業ほど、業績とともに株価も為替レートと連動しやすいという分析 結果がはっきりと出ている。ドルやユーロに対して円高修整局面では、セオリ ー通り自動車や電機といった輸出関連株への投資が有効」と指摘している。

鉄鋼株は上昇率トップ

鉄鋼指数が業種別上昇率で3位となるなど鉄鋼株の上げも目立った。中国 など新興国の成長による恩恵や市況改善への期待感から、新日本製鉄は6連騰、 住友金属工業は4日続伸。鉄鋼業界は08年度業績に対してアナリストの中で も増益・減益で見方が分かれているが、農中アセットの中村氏によると、「原 材料高による来期減益を株価がすでに織り込んだ」という。弱気シナリオを織 り込んだとされたことで、見直し機運が高まった。

インド紙フィナンシャル・エクスプレス(オンライン版)は25日、タ タ・スチールやスチール・オーソリティー・オブ・インディア、JSWスチー ルなどインドの製鉄各社が来年1月に製品価格を引き上げる可能性があると報 じた。

GウィルはS安、リニアめぐって銘柄強弱

個別では、前07年11月期業績が計画を上回ったもようと発表した北興化 学工業が大幅続伸。折半出資会社の新規株式公開に伴い、08年3月期の連結 純利益予想を引き上げた住友化学、大型ビル警備などの寄与で第3四半期累計 (3-11月)の連結営業利益が前年同期比17%増と伸びたセントラル警備保 障も高い。東証1部値上がり率上位にはドワンゴ、フェイス、ディー・エヌ・ エーなど携帯コンテンツ関連も多数入った。

半面、08年6月期業績予想の下方修正と無配転落を発表したグッドウィ ル・グループが連日で値幅制限いっぱいのストップ安。ツカモトが1株57円 で株式公開買い付けする市田、決算訂正で東証が監理ポストに割り当てた三洋 電機、08年5月通期の連結営業利益予想を引き下げた東洋電機製造もそれぞ れ急落し、東証1部値下がり率上位に並んだ。

リニアモーターカーを材料として明暗が分かれた。中央新幹線(中央リニ ア新幹線)の開発を自己負担前提に推進し、費用を5兆1000億円程度と見積 もったJR東海が前日比8.8%安と急落。一方、リニアモーターカー実現への 期待から日本車両製造や鉄建など関連受注の恩恵を受ける銘柄群は上昇した。

新興市場もそろって高い

国内の新興3市場もそろって高い。東証1部の上昇基調の強まりが投資家 心理の改善につながったほか、個人投資家の節税対策の売りが峠を越えたとの 需給期待も強まり、インターネット関連株や携帯コンテンツ関連株などを中心 に買われた。

ジャスダック指数の終値は前日比0.78ポイント(1.1%)高の72.47、大 証ヘラクレス指数は20.34ポイント(1.7%)高の1208.63といずれも3日続 伸。東証マザーズ指数は35.71ポイント(4.6%)高の811.80と反発。

個別では、楽天、サイバーエージェント、ngi group、ミクシィ、 マネーパートナーズが高い。業績予想を増額修正した日本マクドナルドホール ディングスは4営業日ぶりに反発した。半面、オプト、ダヴィンチ・アドバイ ザーズ、日本通信は安い。

--共同取材:河野 敏   Editor:Shintaro Inkyo、Makiko Asai

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