マクセル社長:リチウム電池の増産加速、計画比2割増も-利益率6%

日立マクセルの角田義人社長は、成長分野の 電池事業強化に向け、増産投資を加速する方針を明らかにした。携帯電話用などに 需要が拡大しているリチウムイオン2次電池の増産体制を、従来計画より2割程度 上積みする可能性が高いとして「状況を見ながらそれを上回る数に挑戦していきた い。今まで以上に投資をしていく」と、強い意欲を示した。

同社のリチウムイオン2次電池は、携帯電話やゲーム機などに搭載される薄い 角型の製品が主力。06年度末の生産能力は月1250万個だったが、10年度上期まで に約130億円を投じ、2倍の月2500万個に拡張する計画を10月末に発表した。電 極を作る新工場を京都事業所内に建設、中国の無錫市にある組み立て工場も増強す る。12日収録のブルームバーグ・ニュースのインタビューで答えた。

ただ、角田社長は、需要が旺盛なため増強は柔軟に考えたいと指摘。「月 2500万個から月3000万個へ、さらにそれを上回るような事業展開を考えたい。10 年度上期に月3000万個になっている可能性は十分にあると思う」と述べた。これ とは別に、高出力の筒型の新型電池も開発中で「来春から量産に入る。まず電動工 具向けに展開したい」としている。

成長エンジンは電池と材料

06年度にスタートした中期経営計画では、最終年度の10年度に6%の営業利 益率を目指している。最大事業はDVD(デジタル多用途ディスク)やビデオテー プなどの記録メディアだが、価格下落や需要減で収益性は低い。中計では電池と機 能性材料の2事業を成長のエンジンと位置づけた上で、3事業(記録メディア、電 池、機能性材料)の売上高構成比率を06年度の「58%:23%:19%」から、10年 度に「40%:30%:30%」へ変えるとの方向性を示した。

角田社長は「収益と成長を高めるため、事業のポートフォリオを大きく入れ替 える」と強調。全社で約500億円を投じ、電池と機能性材料を主体に増産投資やM &A(企業の合併・買収)を積極化する。このため、500億円の設備投資の計画全 体も上振れする可能性が出てきたが、同社長は「詳細は未定」としている。

機能性材料の成長株は、携帯電話のカメラやDVDプレーヤーに搭載される超 小型レンズなどの光学部品や、薄型テレビ用の特殊フィルム、産業インクジェット プリンター用インクなど。光学部品では、光学部品メーカーの「チノンテック」 (長野県諏訪市)と資本業務提携することで12月初旬に合意、技術や新製品の共 同開発を進める計画。M&Aでは、粘着テープメーカーの「スリオンテック」(神 奈川県川崎市)を約120億円で今秋買収した。

日立マクセルは、日立製作所が発行済み株式の約51.4%を保有。1961年に日 東電気工業(現・日東電工)の乾電池や磁気テープ部門が分離・独立した。角田社 長は「記録メディアでものすごい過去の成功体験があるだけに、社員の意識の切り 替えが大変」と、社内で変革への対応を説いているという。

07年度の業績は、売上高が前期比3.8%増の2100億円、営業利益が同43%減 の45億円、純利益が同48%減の15億円を、それぞれ予想している。「懸念材料 は、材料費高騰、円高、記録メディア製品の価格下落、の3点。これらが想定範囲 内に収まってくれれば、予想数字は達成できると思う」と述べた。

日立マクセルの25日終値は前週末比18円(1.3%)安の1336円。

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