トヨタ:グループ世界生産は今・来年とも5%増-GM抜き世界一(4)

トヨタ自動車は25日、子会社のダイハツ 工業、日野自動車を加えた2008年のグループ世界生産台数を07年見込みに比 べて5%増の995万台にする計画を発表した。また、07年のグループ生産台数 は前年比5%増の951万台となるもようで、米ゼネラル・モーターズ(GM) の今年の生産計画925万9000台を抜いて、名実ともに世界一の自動車メーカ ーの座に初めて就くとともに、08年はさらなる拡大を目指す。

トヨタの渡辺捷昭社長が同日、名古屋市内で会見して明らかにした。08年 の世界生産計画のうち、トヨタ単独分は07年見込み比4%増の888万台で、 海外が同6%増の458万台、国内で2%増の430万台をそれぞれ見込んでいる。 今月から生産を開始したロシア新工場(当面年産2万台)や来秋稼働するカナ ダ第2工場(生産能力15万台)などが生産増加に寄与する。

来年の世界販売5%増の985万台

同時に発表した08年の世界販売計画は同5%増の985万台で、トヨタ単 独では同5%増の884万台を見込んでいる。トヨタ単独の地域別販売計画は国 内が前年と同じ160万台、海外が前年比6%増の724万台となっている。

渡辺社長は来年の米国市場について、今年と同じくらいか、やや下回る水 準になるとみており、こうしたなかでトヨタの販売が「少しでも上回るように 努力したい」と強調した。一方、国内販売に関しては「市場が大きく伸びない 中、いろんな手を打ってきつつあるが少し時間がかかる」と述べた。

また、トヨタの海外関係を担当する浦西徳一副社長は、来年のトヨタ単体 の地域別販売について、主力の北米が284万台(07年見込み282万台)で、こ のうち米国264万台(同262万台)、欧州127万台(同124万台)、アジアが 158万台(同132万台)で、このうち中国は70万台(同49万台)、中近東51 万台(同48万台)、中南米42万台(同38万台)、アフリカ33万台(同31 万台)、オセアニア29万台(同28万台)と述べた。

浦西副社長は会見で、中国市場について「われわれの想定以上の早いペー スで拡大している」としたうえで、「一段と供給のペースを上げないといけな いと思ってる」と述べ、中国でさらなる生産能力増強を検討していることを明 らかにした。

トヨタは8月末に行った経営説明会で、08年のグループ世界販売が980万 台、地域別では北米300万台、日本240万台、アジア170万台、欧州130万台、 その他140万台としていた。この計画を今回、5万台上方修正した。同説明会 で公表した09年のグループ販売目標1040万台は据え置いている。

クレディスイス証券の遠藤功治シニアアナリストは、トヨタの08年の販 売計画について「リーズナブルだが、米国の動向しだいではチャレンジングな 目標となる」と述べた。その背景として遠藤氏は、今年の米国市場は1610万 から1620万台程度の見込みだが、来年は1550万台程度まで落ち込むとみてお り、こうした中でトヨタが前年並みの水準を維持できるのかというのが一つ、 これに為替の円高が加われば、トヨタは来期減益に転じる可能性があると指摘 した。

松下と共同でリチウムイオン電池の量産を検討開始

また、トヨタの渡辺社長は、松下電器産業との共同出資会社でリチウムイ オン電池の量産を目指した検討を開始することを明らかにした。会見で渡辺社 長は、エンジンとモーターを併用して走るハイブリッドカー技術の「全モデル 展開を目指す」との考えをあらためて示したうえで、家庭用電源で充電できる プラグインハイブリッド向けのリチウムイオン電池の開発、生産までの対応を 進めていると述べた。このほかの環境対応として、木片チップなどからつくる 「セルロース系エタノール」の開発に着手したことも明らかにしている。

トヨタは今年の生産台数が初めてGMを抜いて名実ともに世界一となる見 通しだが、渡辺社長は会見で「品質と台数、企業活動と環境保全などのバラン スを前提とした成長が求められていると実感している」と述べ、従来からの考 えを強調した。

トヨタの株価終値は前週末比80円(1.3%)高の6100円。

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