東京外為:ドル・円もみ合い、米金融不安が緩和-輸出のドル売り重し

東京外国為替市場ではドル・円相場が1ド ル=114円台前半を中心にもみ合った。米サブプライム(信用力の低い個人向け) 住宅ローン問題をめぐる悲観論の修正を背景に株高・円安期待が強まったもの の、約1カ月半ぶりの高値圏でのドル売り圧力や、米金利の先安観もくすぶっ ていることから、ドル高・円安の進行は限られた。

三菱UFJ証券クレジット市場部為替課長の塩入稔氏は、この日のドル・ 円相場について、114円台半ば近辺にオプション取引に絡むドル売りが控えてい たほか、東京市場では輸出企業の動きが活発になるため、ドルがやや水準を切 り下げる局面が見られたと説明。ただ、「政府系ファンドからの米金融機関への 投資案件が続いたことで、ドルの不安もだいぶ薄れている」といい、年内はド ルの戻りを試す動きが続くとみている。

ドルの上値余地広がる

米証券大手のメリルリンチは24日、シンガポール政府系投資会社のテマセ ク・ホールディングスと米投資顧問会社デービス・セレクテッド・アドバイザ ーズから合計62億ドルの資金を受け入れると発表。メリルは7-9月期の決算 で、住宅ローン関連投資および法人向けローンの評価損84億ドルを計上してい たため、今回の発表を受けて、サブプライム問題を背景とした金融機関の業績 悪化懸念が一段と緩和する格好になった。

市場では、「株買いの進行とともに、円キャリートレード(低金利の円で調 達した資金を高金利通貨などに投資する取引)の動きが見られる」(みずほコー ポレート銀行国際為替部・荒井守参事役)との指摘が聞かれたうえ、年末に向 けて米企業の利益送金に伴うドル買い需要も観測されている。

こうしたなか、三菱UFJ証の塩入氏は、「市場の不安感もだいぶ払しょく されている状態で、年末まではドルの堅調な地合いが続く」と予想。ドル・円 相場は6月に付けた年初来高値の124円13銭(ブルームバーグ・データ参照、 以下同じ)から、7月に付けた安値の107円23銭までの下落分の半値戻しに当 たる115円台後半がドルの戻りめどとして意識されるとみている。

輸出のドル売りが重し

一方で、この日は海外金融市場の多くがクリスマスの祝日で休場となるな か、ドル・円相場は114円台前半で3連休明けの東京市場を迎えたが、約1カ 月半ぶりのドル高値圏で輸出企業のドル売りなどが出やすいとの指摘が聞かれ、 朝方に付けた114円39銭を上値に、113円95銭までドルが水準を切り下げる場 面も見られた。

新光証券の林秀毅グローバルストラテジストは、米金融機関向けの相次ぐ 出資案件を背景に米国の株式市場が落ち着いていることから、リスク回避の動 きが収縮して株高・円安の展開になりやすいと指摘。ただ、「年明けには雇用統 計など米国の金融政策を見極めるうえで重要な材料が控えており、米金利の先 安観が再び意識される可能性もある」ことから、ドル買いに慎重な姿勢も残る とみている。

日米の株価堅調

24日の米株式市場ではダウ工業株30種平均が上昇。株価の予想変動率の指 標であるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VI X指数)は18.60と、10月下旬以来の低水準となっている。リスク投資の代表 格とされる株式への投資意欲が高まると、外為市場ではリスク選好的な円キャ リートレードの復活が意識されやすい。

この日の東京市場では、日経平均株価が前週末比で一時300円を超える上 昇となるなど、株価が堅調に推移。ドル・円相場は実需中心のドル売り圧力に 押されながらも、午後の取引終盤にかけては再び円売り圧力が強まり、114円台 前半に戻して推移した。

--共同取材:柿崎元子 Editor:Masaru Aoki, Hidenori Yamanaka

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