政府:08年度予算案決定、赤字国債20.1兆円発行-健全化足踏み(2)

政府は24日午前の臨時閣議で、2008年度 一般会計予算の政府案を決定した。新規国債発行額を前年度をわずかに下回る規 模に抑えたものの、一般会計総額は、4分の1を占める社会保障関係費などの歳 出圧力が強く、2年連続で増加。基礎的財政収支(プライマリーバランス)も5 年ぶりに悪化し、財政健全化路線は足踏み状態に陥っている。

政府案によると、一般会計総額は前年度比0.2%増の83兆613億円。この うち、政策的経費となる一般歳出は少子高齢化に伴う社会保障関係費の増加によ り同0.7%増の47兆2845億円と2年連続で増えた。地方交付税も同4.6%増の 15兆6136億円と前年度に続いて増加した。一方で、新規国債発行額は同0.3% 減の25兆3480億円と4年連続で減少。うち赤字国債は同0.3%減の20兆1360 億円となったが、補正後では同4.1%増と5年ぶりに増加した。

新規国債発行を除く歳入面では、税収が、1兆円近く減額補正された前年度 予算額52兆5510億円に比べ1.9%増の53兆5540億円。一方で、税外収入は外 国為替資金特別会計の剰余金1.8兆円など特会からの繰り入れ計1.9兆円や日銀 納付金7200億円などを計上し同3.7%増の4兆1593億円となった。

国債発行残高は、財政融資資金特別会計の積立金20兆円のうち9.8兆円を 取り崩し、国債返済に充てることによって前年度比(補正後)6兆円増にとどめ たが、553兆円(08年度末)と過去最高を更新。国・地方合わせた長期債務残高 は776兆円(同)で、対GDP(国民総生産)比で同2.4ポイント低下したもの の147.2%の高水準が続き、財政再建への道のりは険しい。

また、国債の元利払いに充てる国債費は前年度比4.0%減の20兆1632億円。 利払い費を計算する長期金利の想定利回りを前年度の2.3%から2.0%に引き下 げたことが主な要因だが、一般会計歳出に占める国債費の割合は24.3%と高く、 他の歳出を抑制する財政硬直化の状態が続いている。

社会保障関係費の抑制が課題

国債発行などの借金を除く歳入から、過去に発行した国債の元利払いを差し 引いた基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字幅は前年度から7516億 円拡大し、5兆1848億円の赤字となった。同収支の悪化は5年ぶりで、政府が 目指す11年度の黒字化の見通しが遠のいた。

政府は11年度の黒字化に必要な財源16兆5000億円を歳出・歳入一体改革 で実現する目標を掲げた。来年度与党税制改正大綱では、消費税率を含む歳入の 抜本改革を先送り。最大14兆3000億円を目指す歳出削減は毎年1兆円近く増加 する社会保障関係費の圧縮が課題として横たわっている。

一般歳出のほぼ半分を占める社会保障関係費は21兆7824億円と前年度比 3%増加。公共事業関係費を2121億円(前年度比3.1%減)削減したほか、政 府開発援助(ODA)291億円(同4%減)、防衛関係費217億円(同0.5% 減)など計3061億円を圧縮したが、一般歳出全体の抑制には及ばなかった。

社会保障関係費については2009年度までに基礎年金の国庫負担割合を現行 の3分の1から2分の1に引き上げることが決められており、財源として2.5兆 円が必要となっている。来年度は国庫負担割合の引き上げ分1356億円が計上さ れているが、残り2.4兆円を確保するメドはたっていない。

一方で、科学技術振興費は前年度比1.1%増の1兆3628億円を確保。中小 企業対策費も同7.3%増と大幅に引き上げ1761億円を計上した。このほか、成 長力強化、地域活性化、生活の安全・安心などの重点施策推進要望関連では国土 交通省関連の施策2490億円など計5529億円を盛り込んでいる。

額賀福志郎財務相は同日午前の臨時閣議後の記者会見で、「改革と成長予 算」と銘打った今回の予算について「政府経済見通しが下方修正され、サブプラ イム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題による米国経済減速が予測されて いるなかで、安定した成長路線に乗せていく。改革を続行しながら来年度に明る さを取り戻していかなければならない」と語った。

一般歳出の主要項目は以下の通り
          07年度   08年度  前年度比増減
社会保障関係    211,409   217,824   3.0%
文教及び科学振興   52,856       53,122      0.5%
(うち科学技術振興) 13,477       13,628      1.1%
恩給関係        9,235        8,522     -7.7%
防衛関係        48,013       47,796     -0.5%
公共事業関係     69,473       67,352     -3.1%
経済協力        6,913        6,660     -3.7%
ODA         7,293        7,002     -4.0%
中小企業対策     1,640        1,761      7.3%
エネルギー対策    8,643        8,655      0.1%
食料安定供給関係   8,555        8,582      0.3%
予備費        3,500        3,500      0.0%
 (単位:億円)

--共同取材 伊藤辰雄、乙馬真由美、Editor: Hitoshi Ozawa, Norihiko Kosaka

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