日本株(終了)大幅続伸、ハイテクや鉄鋼主導-支持線達し割安見直す

3連休前の東京株式相場は大幅続伸。海 外株式や為替など外部環境の落ち着きや、直近の株価下落を背景に堅調な企業 業績、投資指標から見た割安さが見直された。業界再編期待も加わって日立製 作所、東芝などハイテク株が高く、鉄鋼や非鉄金属、大手商社、機械など新興 国経済の成長恩恵を受ける業種もそろって高い。売買代金トップの新日本製鉄 は4日続伸し、鉄鋼株は東証1部の業種別上昇率でトップとなった。

ソシエテジェネラルアセットマネジメントの白石茂治顧問は、「2003年 以降の上昇トレンドの重要な下値支持線である日経平均1万5000円まで、日 本株は調整した」と指摘。米国経済鈍化による数量減や原料高が企業業績に影 響を与えるとの懸念が高まっているが、新興国の成長を背景に08年も企業業 績の拡大が有力視される代表業種が鉄鋼だとした上で、「新日鉄が相場のリー ド役として復活したのは、象徴的だ」(同氏)という。

日経平均株価の終値は前日比225円40銭(1.5%)高の1万5257円00銭、 TOPIXは11.64ポイント(0.8%)高の1469.20。東証1部の売買高は概 算で19億8480万株、売買代金は2兆4295億円。値上がり銘柄数は1000、値 下がり銘柄数は607。

東証業種別33指数の騰落状況では、値上がり業種が23、値下がり業種が 10。電気機器、輸送用機器、鉄鋼、情報・通信、化学、機械が高い。半面、銀 行、その他金融、不動産、医薬品は安い。

3週ぶり1万5000円割れから戻す、上海堅調に安心

日経平均は取引開始直後に11月27日以来、約3週間ぶりとなる心理的な 節目の1万5000円台を割り込んだ。米サブプライム(信用力の低い個人向 け)住宅ローン問題の追加損失懸念や国内外景況感の停滞から積極的な買い材 料に乏しく、金融株中心に売りが膨らんだ。しかし1万5000円割れではすか さず買いが入る状況で、下値の堅さを確認した後は次第に上げ幅が拡大した。

中国人民銀行は景気過熱を抑えるための今年6回目の利上げを20日に発 表し、アジア株は初めての取引で堅調な動きとなった。大和総研の成瀬順也シ ニアストラテジストは、「今回は引き締め路線へと舵取りを切り替えた後の初 めての利上げであるため、きょうの上海市場の反応が大きな注目点」と主張。 その中国株が堅調に推移したことも追い風となって、午後には東京市場は新興 国関連や輸出関連中心に一段高となった。

ソシエテの白石氏によると、11月末のPCFR(株価キャッシュフロー 倍率)は、MSCIベースの世界平均が10.5倍なのに対し、日本は9倍。海 外に比べた株価の割安感が強いことから、来年は海外投資家が日本株を見直す 動きが出てくるだろうと予測。年末接近により、足元では既に来年相場を見据 えた胎動が出てきたと見る。中でも値上がりの目立つ鉄鋼株では、新日鉄の売 買高が3週間ぶりに1億株を超え、前日比4.9%高と急伸した。

米ナスダック高も後押し

電機株を中心に輸出関連株も堅調だった。米大手証券ベアー・スターンズ が決算発表した20日の米国株市場では、ベアー・スターンズ以外の金融株こ そ軟調だったものの、米主要3指数は小幅高となるなど市場全体は落ち着いた 動きとなった。積極的な買い材料ではないが、過度の悲観が和らいだことによ る見直し買いが優勢となった。米国でのハイテク株高に加え、液晶パネルの提 携観測が出ている東芝やシャープ、HDD事業売却が報道されている日立製作 所など、業界再編やリストラの観測が重なったことも支援材料。

大和住銀投信投資顧問の門司総一郎チーフストラテジストは、「電機業界 ではリストラや業界再編が進んでいる」と指摘。スピードに対する評価はマー ケットにとってプラスかマイナスかは分からないとしながらも、「大手企業が その動きを強めれば、業界全体に圧力をかけるだろう」(同氏)と話している。

20日の米国株市場では、データベースソフト最大手のオラクルが19日の 取引終了後に発表した決算が予想より良く、景気鈍化局面でも情報技術への投 資が持ちこたえているとの見方から、コンピューター関連株に買いが入った。 また携帯電話向け半導体のクアルコムは販売見通しを引き上げたことも評価さ れた。米主要3指数の中では、ダウ工業株30種平均とS&P500種株価指数 が0.5%以下の上昇にとどまる中で、ナスダック総合指数は1.5%上げた。

芝浦メカが急伸、真柄建は値下がり首位

個別では、ドイツ証券が投資判断を引き上げた芝浦メカトロニクスが急伸。 土地売却による財務体質の改善期待が高まった東亜建設工業、みずほ証券が投 資判断を引き上げたヤフーが上昇。オプトと提携を強化する電通も高い。ドワ ンゴやディー・エヌ・エーなど携帯電話コンテンツ関連も急伸。2008年10月 期連結営業利益が2期ぶり増益に転じるオハラも大幅高。

半面、大阪支店で不適切な原価処理が行われていたことが判明した真柄建 設が急落して東証1部値下がり率トップ。08年1月期利益計画を減額したシ ーイーシーは同2位となった。日興シティグループ証券が格下げしたイオンデ ィライト、クレディ・スイス証券が投資判断を引き下げた大東建託はともに急 落した。

新興市場は3日ぶり反発

国内新興市場はそろって3日ぶり反発。東証1部市場の上昇に加え、ヤフ ーや楽天など時価総額の大きいインターネット関連株にアナリストの高評価が 相次いだことが投資家心理の改善につながった。ジャスダック指数の終値は前 日比1.08ポイント(1.5%)高の71.27、東証マザーズ指数は15.98ポイント (2.1%)高の782.13、大証ヘラクレス指数は22.70ポイント(2%)高の

1183.19。

楽天KCの損失引当金の一括計上で08年12月期業績への期待が高まった 楽天は値幅制限いっぱいのストップ高となったほか、テレウェイヴ、サイバー エージェント、ミクシィ、アセット・マネジャーズ、ナチュラムが上げた。半 面、竹内製作所、ACCESS、日本通信は下げた。

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