東京外為:ドル・円もみ合い、年末接近で様子見姿勢―ユーロ反発

週末の東京外国為替市場ではドル・円相場 が1ドル=113円台前半を中心にもみ合った。米国のサブプライム(信用力の低 い個人向け)住宅ローン問題や米景気の先行き懸念がくすぶる中、日本の3連 休や欧米のクリスマス休暇を前に積極的な取引を手控える向きが多く、ドル・ 円は週初から続いているレンジ内で動意に欠ける展開が続いた。

一方、午後の取引ではユーロの買い戻しがやや優勢となり、ユーロ・ドル は約1カ月ぶりの安値水準から反発している。

みずほコーポレート銀行国際為替部の加辺猛参事役は、日銀の景気判断引 き下げや米経済指標の悪い内容、中国の利上げなど「いろいろあることはある が、年末まで様子見といった感じになっている」と説明。市場参加者が少なく なり、相場が一時的に振れる可能性もあるとしながらも、ドル・円については 当面、112円台半ばから113円台半ばが中心レンジになるとみている。

レンジ相場の様相―午後はユーロじり高

クリスマスが近づき、欧米勢の動きが鈍る中、今週に入ってからドル・円 は1ドル=112円台後半から113円台半ばのレンジ内で上下する展開が続いてい る。

21日の東京市場でも、国内需給を背景に午前10時の仲値にかけてドルは日 中高値となる113円27銭(ブルームバーグ・データ参照、以下同じ)まで強含 んだが、すぐに113円割れの水準まで小反落。その後、再び113円台前半へ値 を戻すも買いは続かず、商いが細る中、午後には112円95銭までドルじり安と なった。

みずほコーポレート銀の加辺氏は、「連休前で、海外勢はもうクリスマス 休暇ということで、動意薄という形で静かな相場となっている」と説明。「今 週の頭は欧州通貨中心に調整のような動きが進んでいたが、ここ数日はポンド などまだ重いが、だいぶ静かになってきて、ポジション調整はある程度進んで いるという感じ」と指摘する。

ユーロ・ドルは前日の海外市場で10月25日以来、約1カ月ぶりユーロ安 値となる1ユーロ=1.4311ドルを付けた後、東京市場では1.4399ドルまでユー ロの買い戻しが進んだ。

また、イングランド銀行による追加利下げ観測が強まる中、ポンドは海外 時間に対ドルで約4カ月ぶりの安値まで下落したが、東京市場に入ってからは 持ち高調整の動きから下げ幅を縮めている。

米指標への反応鈍化

米フィラデルフィア連銀が20日発表した12月の同地区の製造業景況指数 はマイナス5.7と、2003年4月以来の低水準に落ち込んだ。また、米民間調査 機関コンファレンス・ボードが発表した11月の米景気先行指数(LEI)は前 月比0.4%低下と、事前予想(同0.3%低下)を下回った。

三菱UFJ信託銀行資金為替部の清水昭男グループマネージャーは、米指 標は軒並み景気減速を裏付ける内容で、クレジット懸念も依然として強く、「ド ルを積極的に買う環境とは決して言えない」としながらも、「いずれの材料も ある程度織り込まれてきて、ドル売り材料への反応は限定的なものにとどまっ てきている」と指摘する。

一方、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ、オンライン版)は 21日、米証券大手メリルリンチがシンガポール政府系投資会社テマセク・ホー ルディングスから最大で50億ドル(約5660億円)の資金を受け入れる可能性 があると報じている。20日には米証券大手のベアー・スターンズが9-11月期 (第4四半期)決算を発表したが、サブプライム関連の評価損やトレーディン グならびに投資銀行業務の収入減が響き、1985年の株式公開以来初の赤字とな った。

この日は米国で11月の個人消費支出(PCE)が発表される。ブルームバ ーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によれば、11月のPCEは前月比

0.7%増、個人所得は同0.5%増が見込まれている。米金融政策担当者が重視す るインフレ指標のPCEコア価格指数は、10月と同じ前月比0.2%上昇となっ たもようだが、前年同月比では2.0%上昇(前月は同1.9%上昇)と米金融当局 が適正とするレンジの上限に達する見通しとなっている。

住友信託銀行マーケット資金事業部門の松本三郎チーム長は、「PCEコ ア価格指数は重要な指標だが、米国がサブプライム絡みの整理を進める中、米 金融政策はどちらかというと下げ方向にあると思うので、ここで仮に強い数字 が出ても大きく影響しない」とみている。

円買いの理由見当たらず

日本銀行の福井俊彦総裁は20日午後の定例会見で、「世界経済の不確実性 に加え、国内経済も足元、住宅投資の落ち込みで減速している」と指摘。「目 先、ダウンサイドリスクが高まっている」として、「内外の情勢を引き続き注 視する必要がある」と述べた。日銀は同日開いた金融政策決定会合で金融政策 の現状維持を全員一致で決定。12月の金融経済月報では、景気判断を2004年 11月以来初めて下方修正した。

ドイツ証券の深谷幸司シニア為替ストラテジストは、「日銀が景気判断を 下方修正し、金利も上がらない状況では円を買う理由はリスク回避以外に見当 たらない」とした上で、前日の海外市場でも米景気の不透明感を受けたドル売 り反応は鈍く、休暇を前に新たな持ち高構築の動きは出にくいとしている。

ユーロ・円は前日の海外市場で一時、1ユーロ=161円76銭と6日以来、 2週間ぶりの水準までユーロ安・円高に振れたが、その後は円が伸び悩む展開 となり、東京市場午後には一時、162円76銭まで円が値を切り下げた。

一方、中国人民銀行は20日、景気鎮静化を狙って今年6回目の利上げを発 表。これを受け、21日の中国外国為替取引では、人民元がドル・ペッグ(連動) 制廃止後の最高値を更新している。

--共同取材 柿崎元子 Editor:Norihiko Kosaka, Hidenori Yamanaka

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