日本株はハイテク中心に続伸、外部環境落ち着きや業界再編期待(2)

午前の東京株式相場は続伸。米国の証券 決算発表後に海外株式、為替など外部環境が大きな波乱とならなかったことで 過度な警戒が和らぎ、トヨタ自動車やソニーなど輸出関連株中心に買いが増加 した。中でも京セラやアドバンテスト、ニコン、信越化学工業といった電機、 精密機器、化学などのハイテク関連の上昇が目立つ。台湾の中国鋼鉄と合弁で ベトナムに薄鋼板製造拠点を設立する検討を開始したと発表した住友金属工業 など鉄鋼株も上げた。

大和住銀投信投資顧問の門司総一郎チーフストラテジストは、「電機業界 ではリストラや業界再編が進んでいる」と指摘。スピードに対する評価はマー ケットにとってプラスかマイナスかは分からないとしながらも、「大手企業が その動きを強めれば、業界全体に圧力をかけるだろう」(同氏)と話した。

午前の日経平均株価は前日比173円56銭(1.2%)高の1万5205円16銭、 TOPIXは8.08ポイント(0.6%)高の1465.64。東証1部の売買高は概算 で8億7777万株、売買代金は1兆450億円。値上がり銘柄数は837、値下が り銘柄数は745。

東証業種別33指数の騰落状況では、値上がり業種が22、値下がり業種が 11。輸送用機器、電気機器、情報・通信、化学、鉄鋼、小売が高い。半面、銀 行、その他金融、保険など金融株は安い。

3週ぶりの1万5000円割れから戻す

米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題の追加損失懸念 や国内外景況感の停滞から、日経平均は取引開始直後に11月27日以来、約3 週間ぶりに心理的な節目の1万5000円台を割り込んだ。「3連休前やクリス マス休暇から、きょうは午後にポジション整理の動きも予想される」(十字屋 証券の岡本征良投資情報室長)ほか、直近2日間で午後にまとまった売り注文 が出る傾向が続いていることも需給面での警戒につながった。

もっとも、1万5000円割れの水準では年金資金の買い支え期待などから すかさず買いが入り、前日比33円(0.2%)安の1万4998円を安値にその後 は切り返した。「終値で1万5000円を割り込めば年内相場への懸念が高ま る」(大和証券SMBCエクイティ・マーケティング部の高橋和宏部長)とさ れていただけに、下値の堅さを確認した後は買いが先行。中国人民銀行が今年 6回目の利上げを発表後、初めての取引となるアジア株が上昇で始まった後は 上げ幅がさらに拡大した。

東京証券取引所が20日発表した12月第2週(10-14日)の投資主体別 売買動向によると、外国人が4755億円と大幅に売り越す一方で、年金資金を 背景とする信託銀行は1052億円を買い越した。買い越しは7週連続。

米ナスダック高も後押し

業種別で上昇が目立ったのは輸出関連株。米大手証券ベアー・スターンズ が決算発表した20日の米国株市場では、ベアー・スターンズ以外の金融株こ そ軟調だったものの、米主要3指数は小幅高となるなど市場全体は落ち着いた 動きとなった。積極的な買い材料ではないものの、午前については過度の悲観 が和らいだことによる見直し買いが優勢となった。

午前の日経平均の上昇寄与度では、TDK、京セラ、アドバンテストが上 位3銘柄を占めるなど、輸出関連の中でも特にハイテク株の上げが顕著だった。 米国でのハイテク株高に加え、液晶パネルの提携観測が出ている東芝やシャー プ、HDD事業売却が報道されている日立製作所など、業界再編やリストラの 観測が重なったことも支援材料となった。

20日の米国株市場では、データベースソフト最大手のオラクルが19日の 取引終了後に発表した決算が予想より良く、景気鈍化局面でも情報技術への投 資が持ちこたえているとの見方から、コンピューター関連株に買いが入った。 米主要3指数の中では、ダウ工業株30種平均とS&P500種株価指数が0.5% 以下の上昇にとどまる中で、ナスダック総合指数は1.5%上げた。

その他金融は値下がり率首位

一方、銀行やその他金融など金融株は下げた。銀行株は「米サブプライム 問題の影響による追加損失懸念がくすぶるうえ、日本銀行による景気判断の下 方修正もマイナス」(大和SMBCの高橋氏)とされている。ゴールドマン・ サックス証券が投資判断を引き下げたオリックスと三菱UFJニコスはともに 大幅安で、その他金融は午前の東証1部業種別下落率で首位。

芝浦メカが急伸、真柄建は急落

個別では、ドイツ証券が投資判断を引き上げた芝浦メカトロニクスが急伸。 土地売却による財務体質の改善期待が高まった東亜建設工業、みずほ証券が投 資判断を引き上げたヤフーが上昇。オプトと提携を強化する電通も高い。

半面、大阪支店で不適切な原価処理が行われていたことが判明した真柄建 設が急落して東証1部値下がり率トップ。08年1月期利益計画を減額したシ ーイーシーは同2位となった。日興シティグループ証券が格下げしたイオンデ ィライト、クレディ・スイス証券が投資判断を引き下げた大東建託はともに急 落した。

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