東京外為:ドルが113円ちょうど付近、実需の売買中心-こう着感強まる

午前の東京外国為替市場ではドル・円相場 が1ドル=113円前半から113円ちょうど付近へドルが小緩んでいる。欧米のク リスマス休暇や日本の3連休を前に積極的な取引を手控える向きが多い中、国 内実需筋の売買が目立っており、ドル・円は週初から続いているレンジ内で方 向感に乏しい展開となっている。

三菱UFJ信託銀行資金為替部の清水昭男グループマネージャーは、来週 前半はクリスマスで海外市場の多くが休みで、市場の流動性が一段と低下する ため、「ドルの手当てもきょうがめどになる」と指摘。その上で、対欧州通貨 でドル買い戻しの動きが強まる中、「流れからするとドル高方向にあるが、ド ル・円は113円台半ばのドル売り需要が厚くなっており、こう着感が強まって いる」と説明する。

レンジ内で推移が継続

クリスマスが近づき、欧米勢の動きが鈍る中、今週に入ってからドル・円 は1ドル=112円台後半から113円台半ばのレンジ内で上下する展開が続いてい る。20日の海外市場でもドルは112円80銭(ブルームバーグ・データ参照、以 下同じ)まで軟化したが、その後113円台を回復。東京市場に入ってからは113 円27銭まで強含みとなった後、112円97銭まで反落し、その後は再び113円台 に戻している。

ユーロ・円は海外時間に一時、1ユーロ=161円76銭と6日以来、2週間 ぶりの水準までユーロ安・円高に振れたが、その後は162円ちょうどを挟んで もみ合う展開となり、東京市場午前の取引では162円33銭まで強含んだ後は再 びユーロが伸び悩んでいる。

一方、ユーロ・ドルは海外時間に1ユーロ=1.4311ドルと10月25日以来、 約1カ月ぶりの水準までドルが上昇。その後、いったん1.43ドル後半まで値を 戻す場面も見られたが、東京市場にかけては1.43ドル前半でもみ合う格好とな っている。

米景気の先行き懸念

清水氏は、前日発表された米指標は軒並み景気減速を裏付ける内容で、ク レジット懸念も依然として強く、「ドルを積極的に買う環境とは決して言えな い」としながらも、「いずれの材料もある程度織り込まれてきて、ドル売り材 料への反応は限定的なものにとどまってきている」と指摘。加えて、今月は国 内ではボーナス時期を当て込んだ外貨建ての投信設定があり、米企業による本 国へのドル送金、ドルの売り持ち高の解消など「ドルに対する需給的なサポー トが強い」と説明する。

米民間調査機関コンファレンス・ボードが20日発表した11月の米景気先 行指数(LEI)は前月比0.4%低下と、ブルームバーグ・ニュースがまとめた エコノミスト予想の中央値(同0.3%低下)を下回った。米フィラデルフィア連 銀が発表した12月の同地区の製造業景況指数もマイナス5.7と前月の8.2から 低下し、2003年4月以来の低水準となった。

また、15日に終わった1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は、 前週比1万2000件増の34万6000件と事前予想を上回り、4週間移動平均は34 万3000件と大型ハリケーン「カトリーナ」と「リタ」の襲来で失業者が急増し た05年10月以来の高水準になった。

一方、米証券大手のベアー・スターンズが20日発表した9-11月期(第4 四半期)決算は、サブプライム関連の評価損やトレーディングならびに投資銀 行業務の収入減が響き、1985年の株式公開以来初の赤字を記録した。同社はサ ブプライム関連で19億ドルの評価損を計上すると発表。11月の時点では12億 ドルと見積もっていた。

利上げ後ずれで円買い材料乏しい

日本銀行の福井俊彦総裁は20日午後の定例会見で、「世界経済の不確実性 に加え、国内経済も足元、住宅投資の落ち込みで減速している」と指摘。「目 先、ダウンサイドリスクが高まっている」として、「内外の情勢を引き続き注 視する必要がある」と述べた。日銀は金融政策決定会合で金融政策の現状維持 を全員一致で決定。12月の金融経済月報では、景気判断を2004年11月以来初 めて下方修正した。

ドイツ証券の深谷幸司シニア為替ストラテジストは、「日銀が景気判断を 下方修正し、金利も上がらない状況では円を買う理由はリスク回避以外に見当 たらない」とした上で、前日の海外市場でも米景気の不透明感を受けたドル売 り反応は鈍く、休暇を前に新たな持ち高構築の動きは出にくいとしている。

--共同取材 吉川淳子 Editor:Norihiko Kosaka, Hidenori Yamanaka

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