NEO上場のJ-TEC:初値は公募比20%安の9万6000円-再生医療

患者本人の細胞を培養し皮膚や軟骨などを 製品化する再生医療ベンチャーのジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(略 称:J-TEC)が21日、ジャスダック取引所の新市場「NEO」に新規上場 (IPO)した。午前10時8分すぎに付いた初値は9万6000円で、公募価格 の12万円を20%下回った。日本政府が後押しする再生医療分野で初のIPOと して注目度は高いが、当面は赤字が続くため、売り注文が優勢となっている。

午前10時18分現在の株価は9万9400円。初値形成時に9494株の約定が あったほか、その後約10分間で3300株以上の売買をこなし、累計出来高は1 万2833株となった。

同社は1999年設立。愛知県蒲郡市に本拠を置く眼科医療機器メーカーのニ デックが母体となって、再生医療製品の研究や開発を行うバイオベンチャーが 誕生、INAX(現住生活グループ傘下)や富山化学工業が出資した。

細胞を皮膚や軟骨などの各組織に分化させるティッシュ・エンジニアリン グ技術に対しては、政府も倫理的観点から慎重な討議を続けてきたほか、安全 性に対する審査・管理も厳格で、「J-TEC以外の企業や研究機関は足踏み しているような状況。少なくとも2-3年は先行メリットを享受できる」(エ ース証券の池野智彦アナリスト)との見方もある。

移植を大別すると、①患者本人の細胞を使用して組織にし、本人に移植す る自家移植、②他人の組織・臓器を移植する同種移植、③ブタやウシなどヒト 以外の動物の組織・臓器を移植する異種移植――の3つに分けられるが、J- TECでは自家移植が最も安全性が高いとみて再生医療製品の開発・商品化に 注力している。

同社が申請していた自家培養表皮は、対表面積の30%以上の重症熱傷を対 象として2007年10月に厚生労働省から製造承認(製造販売承認に相当)を取 得、日本初の再生医療製品として認可を得た。J-TECでは一連の皮膚関連 技術を「ジェイス」と名付け商業化、医療現場での利用に努めている。

このほか自家培養軟骨は07年3月に治験を終了、製造承認の取得に向けて 準備を進めているほか、自家培養角膜上皮については治験開始に向けて、07年 5月に関係当局に対し治験前の確認申請を行っている。

今後2年は赤字継続

2008年3月期の業績予想(非連結)は、売上高が前期比28%増の1億3200 万円、経常損益が11億500万円の赤字(前期は9億1200万円の赤字)。

このほどブルームバーグ・テレビに出演した小澤洋介社長は「なるべく早 く黒字転換を目指したいが、あと2年ほど赤字が続くとみている」と発言、当 面はジェイスの市場開拓や研究開発に注力していく意向を示した。2010年3月 期の業績計画は、売上高が21億円、経常損益が4億4000万円の赤字。

J-TECは上場に際して2万5000株の公募と8180株の売り出し(オー バーアロットメント含む)を実施。主幹事は野村証券が務めている。

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