東芝:シャープ堺から大型液晶パネル調達で協議、決まり次第発表(3)

液晶テレビ国内中堅メーカーの東芝は、 首位のシャープが2010年3月末までに稼働させる予定の大阪・堺市の新工場 から大型パネルを大量調達する方向で協議している。21日の日本経済新聞朝刊 の報道を受けて両社がコメントを出し、公式に認めた。決まり次第発表すると している。

日経は東芝が、松下電器産業、日立製作所とのパネル生産提携を09年度 以降に解消、シャープの堺新工場から40-60型台の大型パネルを大量調達し、 東芝ブランドのテレビに搭載して国内外で販売すると報道。21日に東芝とシャ ープの社長が記者会見し発表する、としていた。

両社は日経報道を受け「当件の報道について検討しているのは事実」(シ ャープ)「本件については検討を進めている」(東芝)とするコメントを出し、 協議の事実を認めた。コメントで両社とも「決まり次第発表する」としている。

東芝は日立、松下との共同出資会社IPSアルファテクノロジ(千葉県茂 原市)でテレビ用の液晶パネルを共同生産している。日経によると、東芝は保 有するIPS株15%を松下に売却して投資のかさむパネル製造から手を引き、 シャープを主体とする外部調達にシフトする方針。

一方、片山幹雄シャープ社長は7月末に堺工場の建設を発表した際、同工 場で製造するパネルやテレビを「一部のセットメーカーに戦略的に供給した い」と言明。20日の株式持ち合いが完了したプラズマテレビ国内3位のパイオ ニアとの提携では、液晶テレビや中小型パネルを同社に供給する。日立、松下 との連合から離脱する東芝が供給先となれば、さらに大口顧客を獲得できる。

今回の協議対象は09年度以降に堺工場で製造されるパネルの取引。東芝 の広報担当者、大森圭介氏は21日、東芝が現時点でシャープの既存工場から パネル供給を受けているかどうかは「コメントできない」と述べている。大森 氏によると、東芝の液晶テレビの国内シェアは現在「20%程度」で、海外では 組み立て拠点の整備などで拡充を図っている。

シャープに「利が多い」

みずほインベスターズ証券調査部の大澤充周シニアアナリストは今回の協 議について「片山シャープ社長が示した供給拡大戦略に沿ったものだ」と述べ るとともに、東芝にとっては大型パネルを自前で共同生産するよりも「外部調 達すればコストが低減できるメリットがある」と語った。

大澤氏はそのうえで、両社を比較すると「シャープの方の利が多い」との 見方を示した。21日の株価もこの見方に沿った値動きで、シャープは朝方に前 日比48円(2.5%)高まで上げた後、一時伸び悩んだものの堅調に推移。一方、 東芝は8円(1.0%)高となったあと一時小幅安に転じた。

午前の株価終値は、シャープが前日比43円(2.3%)高の1944円、東芝 は同3円(0.4%)高の820円。

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