NY外為(21日):円下落、信用懸念緩和でキャリー取引再び活発化(2)

ニューヨーク外国為替市場では円が主要 16通貨に対して下落。信用市場での損失が世界経済の成長を損ねるとの懸念が 後退し、投資家は低金利の円で資金を調達し、高金利通貨で運用するキャリー 取引を活発化させた。

円は特にカナダ・ドルと豪ドル、ブラジル・レアル、南アフリカ・ランド に対して下落した。午前に発表された11月の個人消費支出(PCE)の伸び 率が過去2年余りで最大となったほか、短期借り入れコストの低下が円売りに つながった。米連邦準備制度理事会(FRB)は短期金融市場の信頼回復のた め、ターム物資金入札を「必要な限り」続ける意向を明らかにした。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロンのグローバル・マーケット・グルー プで世界戦略を担当するサマルジット・シャンカー氏は、「これらは信頼を回 復させる材料だ。円を売って高利回り通貨を買う動きが進む」と語った。

ニューヨーク時間午後4時11分、円はユーロに対して163円97銭と、前 日の162円11銭から下落した。対ドルでの円は114円18銭(前日113円14 銭)。一時は11月7日以来の安値114円21銭まで下げた。ドルはユーロに対 して1.4362ドルと前日の1.4329ドルから下落した。

週間ベースでの円はドルに対して0.8%安と、4週連続下落。円はユーロ に対しては0.3%安。週間ベースでのドルはユーロに対して0.5%上昇した。

世界的な株高も円キャリー取引を活発化させ、円下落につながった。

貸し出し金利

日本の政策金利は0.5%と、先進国のなかで最低水準。これに対しブラジ ルは11.25%。南アフリカは11%。ニュージーランドとオーストラリアはそれ ぞれ8.25%と6.75%。カナダは4.25%に設定されている。

欧州中央銀行(ECB)とFRBは、金融市場の信頼感回復を目指した協 調資金供給措置の一環として、期間35日で合計300億ドルの資金を金融シス テムに注入した。

欧州銀行連盟(EBF)によると、3カ月物のユーロ建て欧州銀行間貸出 金利(EURIBOR)は前日比2ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)低下し、4.78%。これは11月28日以来の低水準。英国銀行協会(B BA)によると、3カ月物のドル建てロンドン銀行間貸出金利(LIBOR) は3bp低下して4.86%。

個人消費支出

米商務省が発表した11月のPCEは前月比で1.1%増加。米連邦公開市場 委員会(FOMC)が注目するインフレ指数である食品とエネルギーを除くP CEコア価格指数は前年同月比で2.2%上昇だった。

カナダ・ドルは主要16通貨すべてに対して上昇。同国の10月の国内総生 産(GDP)の伸び率が市場予想を上回ったほか、小売売上高の増加が好感さ れた。対米ドルでは1%上昇した。週間では2.5%の値上がり。

豪ドルは対米ドルで1%上昇。ニュージーランド(NZ)ドルは同0.6% 高、ブラジル・レアルは同0.9%上昇した。

PCEコア価格指数の伸びを受けて市場関係者の間では、1月30日のF OMCで利下げを実施するとの見方が後退、これが対ユーロでのドルの下値を 支えた。金利先物市場の動向によると、フェデラルファンド(FF)金利誘導 目標が0.25ポイント引き下げられる確率は78%となっている。前日は92%だ った。

英ポンドはユーロに対して72.56ペンスと、最安値を記録。トレーダー の間でイングランド銀行が利下げを実施するとの見方が強まった。

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