人材派遣株が高い、業界再編期待-リクルートがスタッフS買収と報道

人材派遣業界3位のテンプスタッフや同業 中堅のジェイコムなどの株価が上昇。リクルートが業界最大手のスタッフサー ビス・ホールディングス(非上場:東京都千代田区)を1700億円前後で買収す る方向で最終調整していると一部で報じられ、業界再編期待が高まった。粗い 試算だと株価収益率(PER)40倍で評価するかたちとなるため、PER10倍 台のテンプスタッフの割安感が際立つ格好になっている。

野村証券金融経済研究所の大原一真アナリストは業界再編の背景について、 「派遣スタッフの社会保険加入などコンプライアンス(法令順守)上の問題で 利益が出にくくなっていることがある」と解説、派遣スタッフの待遇向上に伴 い、派遣会社の収益構造が大きく変わりつつあることを受けたとの見方だ。

20日付の日本経済新聞朝刊によると、スタッフSは創業者の岡野保次郎会 長が発行済み株式の約80%を持つ。個人資本のままで成長を続けるのは難しい と判断、他の株主分も含めた全株式を売却する方針を決め、12月中旬まで入札 を実施したという。スタッフSは19日までにリクルートに優先交渉権を与え、 最終交渉に入る方針を固めた、と伝えている。リクルートはリクルートスタッ フィングなどグループ7社で人材派遣事業を手がけ、業界5位。

大原氏は、今回のM&A(企業の合併・買収)はあくまでスタッフS個別 の事情だとみており、「すぐに買収合戦が始まることはない」と判断している。 その一方で大原氏は、今回の買収金額に着目。日経報道が示した数値がすべて 正しいと仮定して大雑把に試算すると、「スタッフSの今期純利益は約40億円。 有利子負債の引き継ぎなども勘案すると、実質的な買収総額は1600億円程度で PERは40倍」になると言う。

ブルームバーグ・プロフェッショナルによると、各社のPER水準はテン プスタッフが12倍、人材派遣業2位のパソナグループが12倍、軽作業請け負 いなどのグッドウィル・グループが10倍。大原氏は「中堅・中小企業を中心に 大手の傘下に入りたいという企業も出てくるとみられ、業界のPERが徐々に 引き上げられるのではないか」とみていた。

午前9時35分現在の各社の株価は、テンプが前日比3000円(2.6%)高の 11万7000円、ジェイコムが同1000円(0.5%)高の22万1000円、Gウィルが 同90円(0.4%)高の2万4290円。一方、パソナグループは同1000円(0.8%) 安の11万8000円と小動き。

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