日本株は続伸へ、外部好転し銀行や輸出高い-電機は再編材料(2)

3連休前の東京株式相場は、小幅続伸し そうだ。米大手証券ベアー・スターンズの決算発表がネガティブサプライズと ならなかったことで、信用収縮による実体経済への波及懸念がやや和らぐ見込 み。外部環境の改善から輸出関連株や銀行株などが高くなりそうで、中でも液 晶パネルの提携観測が出ている東芝やシャープ、HDD事業売却が報道されて いる日立製作所など電機株には買いが先行する。

大和投資信託の長野吉納シニアストラテジストは、「薄型ディスプレイの 再編報道などハイテク関連のニュースフローが良くなっている。ハイテク中心 に足元を固めていくのではないか」と見ている。ただ、売買高の減少など投資 家センチメントは改善していないことから、「上値を積極的に追う状況までは 見られないだろう」(同氏)という。

シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物3月物の20日清算値は1万 5155円で、大阪証券取引所の通常取引終値(1万5010円)に比べて145円高 だった。

ベアー・スターンズ株は上昇

20日に発表されたベアー・スターンズの9-11月期(第4四半期)決算 は、サブプライム関連の評価損やトレーディングならびに投資銀行業務の収入 減が響いて8億5400万ドル(1株当たり6.90ドル)の損失となった。1株当 たりの損失幅はブルームバーグがまとめたアナリストの予想平均のほぼ4倍。 株価は高安を繰り返しながらも、通常取引の終値は前日比0.9%高となった。

サブプライム関連の損失懸念がくすぶる中、損失額と株価への影響が注目 された大手証券の9-11月期決算はほぼ一巡。信用危機の指標であるTEDス プレッド(3カ月物のドルLIBOR=ロンドン銀行間貸出金利と米財務省証 券の利回り格差)は、20日には6.1%の水準まで低下した。低下は6営業日連 続。

米労働省が20日に発表した15日に終わった1週間の新規失業保険申請件 数(季節調整済み)は、前週比1万2000件増の34万6000件と高水準となっ た。国内でも20日に日本銀行が景気判断を下方修正するなど国内外景気の不 透明感は依然強いものの、海外株式市場や外国為替市場は落ち着いた動きとな っており、証券決算一巡による外部環境改善で下値では買いが入る可能性があ る。

ハイテクへの期待感

21日付の日本経済新聞朝刊によると、東芝とシャープはテレビ用の液晶パ ネルで提携する。東芝は松下電器産業、日立製作所とパネル生産で提携してい るが、これを解消して新たにシャープと組むことになる。また同紙では、日立 製作所が不振のハードディスク駆動装置(HDD)事業を米ファンドに売却し てリストラを加速するとも報じている。電機業界での業界再編の加速やリスト ラの動きは、電機株への期待感の高まりにつながりそうだ。

一方、20日の米国株市場では、データベースソフト最大手のオラクルが 19日の取引終了後に発表した決算が予想より良かったため、景気鈍化局面でも 情報技術への投資が持ちこたえているとの見方から、コンピューター関連株に 買いが入った。

米主要株価3指数の終値は、ナスダック総合指数が前日比39.85ポイント (1.5%)高の2640.86、S&P500種株価指数は7.12ポイント(0.5%)高の

1460.12ポイント、ダウ工業株30種平均は同38.37ドル(0.3%)高の

13245.64ドル。

需給懸念は上値抑える

半面、需給懸念は上値を抑える要因となりそうだ。東京証券取引所が20 日発表した12月第2週(10-14日)の投資主体別売買動向(東証・大証・名 証3市場の1・2部合計)によると、外国人は4755億円売り越した。売り越 し額は3カ月ぶりの高水準で、売り越しは3週ぶり。

野村証券金融経済研究所の藤田貴一ストラテジストは「外国人は先物での 売り越し金額が少ないところを見ると、売り越し額の拡大はアロケーションの 変更による日本株売りだろう」と分析。外国人売りは11月第3週を最後にい ったん終わったかに見えたものの、「パフォーマンスの悪さや国内投資家の鈍 さによって日本株から資金を引き揚げている」(同氏)としていた。

中国利上げでアジア株を注視

中国人民銀行は20日、今年6回目の利上げを発表した。11年ぶりの高水 準となったインフレ率に対応し、景気沈静化を狙う。人民銀のウェブサイトに よれば、1年物の基準貸出金利は、これまでより0.18ポイント高い7.47%と、 9年ぶりの高水準に引き上げられた。1年物の預金金利 は4.14%と、0.27ポ イント引き上げられた。21日から適用される。

米国景気減速が新興市場に与える影響が懸念され、東京市場はこのところ 中国株の動向に振られやすい状況となっている。このため、利下げ後のアジア 株の動向次第では、一時的に相場の下押し圧力が高まる場面も想定される。

住金やJR東日本など上昇見込み

個別では、台湾の中国鋼鉄と合弁でベトナムに薄鋼板製造拠点を設立する 検討を開始したと発表した住友金属工業、賃貸事業の収入が拡大していると21 日付の日本経済新聞朝刊が伝えたJR東日本、1828年設立のオーストリアのピ アノメーカー「ベーゼンドルファー」社の全株式を取得するヤマハ、燃料油高 を受けて08年度に国内線運賃で数%程度の値上げを実施する方向で検討に入 った全日本空輸などが高くなる見込み。

半面、大阪支店で不適切な原価処理が行われていたことが判明した真柄建 設、子会社が運営する有料老人ホームにおいて感染症胃腸炎の集団発生が起き たと発表したニチイ学館、営業損失が発生する見通しの楽天KCに対して増資 を引き受ける楽天などは下落の公算。

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