自民・古賀氏:総選挙で過半数維持、自民主導で政界再編を-単独会見(2)

自民党の古賀誠選挙対策委員長はブルーム バーグ・テレビの単独インタビューに応じ、参院で野党が多数派を形成する「ね じれ国会」を解消するため、次の衆院総選挙で自民党が単独過半数を維持した上 で、民主党との大連立を含めた政界再編を主導すべきだとの見解を明らかにした。 ただ、衆院解散の時期については大敗した7月の参院選の反省も踏まえて慎重に 判断すべきだとの考えも示した。インタビューは18日に自民党本部で行った。

この中で、古賀氏は日本の国会の現状について、「参院でわが党が与党で過 半数を取るには3年後なのか、6年後なのか、9年かかるかも分からない。その 間、片肺飛行を許してはいけない」と指摘。その上で、「政界再編。大連立なの か中連立なのかは別だが、これはわれわれが常に視野に入れなければいけない大 きな政局だ」と述べ、「ねじれ現象」を解消するための政界再編を念頭に置く必 要性を訴えた。

さらに、古賀氏は、政局、政治を安定させる抜本的な枠組みを構築するには、 「いずれにしても総選挙を戦って自民党が過半数の議席を確保することが一つの バネになって、政界再編なり連立を主導していくことだ」と述べ、本格的な再編 は総選挙後になるとの見通しも示した。

「急ぎすぎた改革」の見直しを

7月の参院選挙で歴史的な大敗を喫した自民党。9月に就任した福田康夫首 相は、参院を野党が支配する「ねじれ国会」の運営に苦しんでいる。そうした中、 古賀氏は次の衆院選に向けて奔走している。

運輸相、党国対委員長などを経て森内閣で党幹事長を務めた。67歳。麻生 太郎前幹事長らと同世代だが、小泉・安倍両政権(2001年4月-07年9月)では 閣僚や党の要職に就くことはなかった。党3役級ポストとして新設された選対委 員長への就任は約6年半ぶりの表舞台への復帰だ。

古賀氏は就任以来、12月上旬まで約2カ月間かけて47都道府県のうち42 カ所を行脚し、都道府県連幹部らの意見を聴取した。地方組織の現状について、 「選挙を戦える土俵作り、環境作りというのには程遠い。自民党という責任政党 に対する夢だとか、希望だとかが崩れ去ろうとしている」と厳しい見方を示す。

その原因としては、「小泉改革、安倍改革で改革の必要性と重要性は認識し てきたが、少し時間が必要な所も猛烈なスピードで改革、改革ということで国民 を引っ張ってきた。それに対する『ひずみ』が自民党の地盤沈下につながってい るのではないか」と分析。福田首相に対し、「急ぎすぎた改革の中で求められる 見直しをやっていただきたい」と訴える。

実際、大詰めを迎えている福田内閣初の予算編成作業では、2007年度補正 予算案に農業対策が盛り込まれるほか、08年度診療報酬改定でも「本体部分」 の8年ぶりの引き上げが実現することになった。「ゆきすぎた改革」(古賀氏) の修正が始まっており、古賀氏は「しっかりと反映できるものは反映させること ができたと私は自信を持っている。必要な分については改革一辺倒ではなくて見 直しが行われてきた」と強調する。

こうした福田内閣の経済財政政策について、慶応大学の曽根泰教政策・メデ ィア研究科教授(政治学)は「自民党と民主党が地方へのばらまき合戦をしてい る状況は日本にとっていいことではない。財政の規律が緩むし、また日本の農政 の将来への展望はこの中からはでてこない」と批判する。

一方、第一生命経済研究所の熊野英生主席エコノミストは「政党が選挙に負 けると国民の意見を反映しないといけないと思うのは当たり前の話だ」と指摘。 その上で、「08年度予算の新規国債発行額も抑えるようにしている。改革の後 退という印象もある反面、財政再建路線は維持しようというのが福田政権のスタ ンスではないか」と分析する。

1月党大会までに空白区を可能な限り解消

総選挙に向けた準備を進めている古賀氏にとって悩みの種となっているのは 岐阜1区など現職が競合する6選挙区の調整と北海道1区など15ある空白区の 解消だ。

このうち、空白区については「08年1月の党大会までに埋められるところ は可能な限り埋めていきたい」と候補者選定を急ぐが、6つの調整区については 「早く決めた方が選挙態勢の環境作りに役に立つというところもあるし、少し時 間が必要なところは時間をかけることも大切だ。ケースバイケースだ」と個別の 選挙区事情に考慮して最終判断する方針だ。

国民に安心感出るまで時間必要-早期解散に慎重

衆院解散の時期については、「国民に本当の意味での安心感が出てくるまで には時間が必要だ。北海道洞爺湖サミットの後だとか、そういうことにこだわら ず、どういう現象が国民に実感として伝わってきているかということをよく見定 めていただきたい」と述べ、早期解散に慎重な姿勢 を示す。

参院が否決した法案を再議決によって成立させることが可能な3分の2以上 の議席を与党が衆院で確保していることも指摘。「これこそ与党の最大の武器、 財産だ。これは大事にしたい。09年9月の任期いっぱいとは言わないが、落ち 着いた政局運営が求められているのではないか」とも語った。

--共同取材:君塚靖、Anthony Spaeth,Patrick Harrington

Editor:Tetsuzo Ushiroyama、Yoshito Okubo

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